オススメ!
ここはすべての夜明けまえ作者:間宮 改衣早川書房Amazonこの『ここはすべての夜明けまえ』は、第11回ハヤカワSFコンテストの特別賞を受賞したSF中篇(もしくは短めの長篇といえるかぐらい)だ。特別賞は長さが短めだったり一点突破の魅力があったりで受賞する…
温暖化に負けない生き物たち:気候変動を生き抜くしたたかな戦略作者:ソーア・ハンソン白揚社Amazon気候変動で地球がヤバいとは近年しきりに言われるところである。温暖化で人類の生活が苦しくなるだけならまだしも、それ意外の動植物たちは環境に翻弄されな…
チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク (竹書房文庫)作者:ジョン・スラデック竹書房Amazonこの『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・…
今年おもしろかった本を一気に紹介します。大きめの書店が次々閉店し、人手不足や配送の問題もあって出版的には厳しい時期が続くがおもしろい本は依然として絶えない。あとゲームもいっぱいやったので、本だけでなくゲームも合わせて振り返っていこう。いつ…
メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生みすず書房Amazonこの『メタゾアの心身問題』は、タコやイカがどのような「意識」を持っているのかについて様々な観察・研究をもとに紹介した、『タコの心身問題』の続篇にあたる。『タコの心身問題』は本邦での刊…
宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選作者:顧適,何夕,韓松,宝樹,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,王侃瑜,程婧波,梁清散,万象峰年,譚楷,趙海虹,昼温,江波新紀元社Amazonこの『宇宙の果ての本屋』は、日本における中華SF翻訳・紹介の立役者立原透耶編集による中華SF傑…
奏で手のヌフレツン作者:酉島 伝法河出書房新社Amazon酉島伝法はデビュー作の連作短篇集『皆勤の徒』と第一長篇『宿借りの星』が共に日本SF大賞を獲得と、寡作ながらもその作品は常に高い評価を受けてきた。そんな酉島伝法による最新作『奏で手のヌフレツン…
イーロン・マスク 上 (文春e-book)作者:ウォルター・アイザックソン文藝春秋Amazonこの『イーロン・マスク』は、その名の通りイーロン・マスク初の公式伝記である。マスクの伝記自体はこれまでにも出て、翻訳もされている(読んだけどおもしろい)が、その中に…
store.steampowered.com ベセスダの新作ゲーム『Starfield』、XboxGamePassに加入してプレミアム・エディションを追加購入した人は9月1日からプレイできた。現時点で35時間ほどプレイし、各勢力のミッションもいくつかたしなみながらメインミッションも一応…
リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話:コロナ禍に向かうアメリカ、医療の自由の最果ての旅作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazonこの『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話:コロナ禍に向かうアメリカ、医療の自…
アルツハイマー病研究、失敗の構造みすず書房Amazon認知症の一種であるアルツハイマー病は、誰もが老化と共におちいる可能性のある病気だ。記憶力が衰え、言語・思考などあらゆる知的能力がだんだん衰退し最終的には死に至る。体はそのままで人格が壊れてい…
イラク水滸伝 (文春e-book)作者:高野 秀行文藝春秋Amazonこの『イラク水滸伝』は、『独立国家ソマリランド』などで知られるノンフィクション作家・高野秀行の最新作だ。間にコロナ禍を挟んだこともあって取材・執筆に6年がかかったという大作で、事前の期待…
鋼鉄紅女 (ハヤカワ文庫SF)作者:シーラン ジェイ ジャオ早川書房Amazonこの『鋼鉄紅女』は中国出身で幼少期にカナダに移住した作家・ユーチューバーのシーラン・ジェイ・ジャオのデビュー長篇である(21年刊)。タイトルにも入れたが、TRIGGER&A-1制作によ…
ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス (竹書房文庫 ば 3-1)作者:ヴァッソ・クリストウ竹書房Amazonこの『ギリシャSF傑作選』はその名のとおり、ギリシャのSF短篇が集められたアンソロジーである。版元は竹書房。流れ的にはイスラエルSF傑作選『シオンズ・フィク…
アメリカへようこそ (角川書店単行本)作者:マシュー・ベイカー,田内 志文KADOKAWAAmazonこの『アメリカへようこそ』はアメリカの新進作家マシュー・ベイカーの初の短篇集の邦訳である。どうやらアメリカでは「注目すべきストーリーテラー10人」に選ばれるな…
ガーンズバック変換作者:陸 秋槎早川書房Amazon『ガーンズバック変換』は『元年春之祭』や『雪が白いとき、かつそのときに限り』、『文学少女対数学少女』といった、ミステリ系の著作で知られる陸秋槎による初のSF短篇集である。陸秋槎は北京出身だが、そ…
習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてかみすず書房Amazonいつも通勤や通学につかっている道は、何も考えずにも動けるぐらいには「習慣」になっているものだ。むしろいつものルートとは別の方角に行く必要がある時、そのことを忘れて「習慣」…
ぼんやりしてたら2022年が終わってしまったが、振り返らないよりはマシだと信じて今からおもしろかった本など振り返ろう。今年もアニメ、小説、ノンフィクション、ゲーム……あらゆる媒体でおもしろい作品がいっぱいあった。そのすべてを取り上げることは不可…
AI 2041 人工知能が変える20年後の未来 (文春e-book)作者:カイフー・リー(李開復),チェン・チウファン(陳楸帆)文藝春秋Amazonこの『AI 2041』は、人工知能学者の李開復(元Google中国の社長)が2041年における未来予測と解説を担当し、『荒潮』などの著…
プロトコル・オブ・ヒューマニティ作者:長谷 敏司早川書房Amazon長谷敏司、『BEATLESS』(2012)に続く10年ぶりのSF長篇がこの『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』になる。長谷敏司がその間何もしていなかったわけではなくて、短篇も数多く書いているし、…
サイバー戦争 終末のシナリオ 上作者:ニコール パーロース早川書房Amazonこの『サイバー戦争 終末のシナリオ』は、サイバーセキュリティを専門とし、《ニューヨーク・タイムズ》紙記者である著者が7年以上の月日をかけてセキュリティ関係者に取材を重ねて「…
極めて私的な超能力 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:チャン ガンミョン早川書房Amazonこの『極めて私的な超能力』はSFだけでなくノンフィクションや労働小説など幅広いジャンルの作品を手掛ける韓国の人気作家チャン・ガンミョンによるSF短篇集だ。この…
いずれすべては海の中に (竹書房文庫)作者:サラ・ピンスカー竹書房Amazonこの『いずれすべては海の中に』は、(新型コロナウイルスをめぐる状況の)予言的な作品として話題になった『新しい時代への歌』のサラ・ピンスカーによるSF中心の短篇集である。2013年…
脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論作者:ジェフ ホーキンス早川書房Amazon人間は日々新しいことを学び続けている。民主主義についてや数学の理論など複雑な概念に限った話ではなく、たとえばアプリをダウンロードしたらその使い方を…
【PS4】ELDEN RINGフロムソフトウェアAmazon『ELDEN RING』をクリアした。すべてのボスを倒したり、何周もしたりしたわけではないが(本作には周回要素が存在する)、とにかくラスボスを倒しエンディングが流れた。文句がないわけではないが、素晴らしいゲーム…
WORLD WITHOUT WORK――AI時代の新「大きな政府」論作者:ダニエル・サスキンドみすず書房Amazon近年、AIなどのテクノロジーの進歩は、人間から仕事を奪う。いや歴史が証明しているようにテクノロジーの進歩は新しい仕事を作り出すから人は新しい仕事へと移るだ…
AI監獄ウイグル作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材…
ベストSF2021 (竹書房文庫, お6-2) (竹書房文庫 お 6-2)作者:大森 望竹書房Amazon2020年に発表された日本SF短篇の中から、大森望が傑作をよりすぐったのがこの竹書房から刊行されたアンソロジー『ベストSF2021』である。2019年作品版の『ベストSF2020』が202…
mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来作者:ジョー ミラー,エズレム テュレジ,ウール シャヒン早川書房Amazon日本政府によると、日本の新型コロナウイルスワクチン接種回数は1億9800万回、2回の接種を完了した人は総人口の77%と数字が出ているが、…
『DUNE/デューン 砂の惑星』公開時にIGN japanに寄稿した映画reviewを、年末ですし、Amazonでも買えるようになっているのでブログ用に編集して投稿してます。おもしろいので観てね。DUNE/デューン 砂の惑星(字幕版)ティモシー・シャラメAmazon はじめに ドゥ…