基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

歴史

玩物双紙 by 新城カズマ

歴史は人の手によって書かれていくものだから、文字情報だけに頼って我々が歴史を概観すると「歴史の勝者の情報操作」に抵抗することは困難になってしまう。勝者はいかようにも歴史を書き換えられるのだから。ただし、それも言葉だけのこと。人の語る歴史を…

泣き虫弱虫諸葛孔明 by 酒見賢一

第四部を読んでいてもたってもいられなくなったので、この類まれな傑作三国志小説について、簡単なシリーズ総評を書いておく。シリーズは現在まだ続く。第一部、第二部は文庫化済みであり、第三部はまだ。第四部は今日出た。 酒見賢一が獲得した新しい語りの…

エウロペアナ: 二〇世紀史概説 (エクス・リブリス) by パトリクオウジェドニーク

僕が普段よく行く、平日の12;00〜14;00に来た人は500円でカットしてもらえるという10分カット真っ青の激安髪切り屋では切り終わった後必ず「髪すいときますか」と聞いてくる。すいとくってなんやねん、すいとくことによるメリットとデメリットを提示せえや…

島津戦記 by 新城カズマ

戦国時代の戦記物に人が求めるのはなんであろうか。有名な合戦の臨場感のある描写、キリキリと胃が痛くなってくるような一瞬の判断の描写、人間があっけなく死んでいく中での別れの切なさや当時独特の価値観、一つ一つの合戦を超えた自国の行末を思う気持ち…

第一次世界大戦 (ちくま新書) by 木村靖二

今でこそ「第一次」世界大戦となって世界中に知れ渡っているが当時は当然第二次がないのだから第一次もクソもなく、それどころか開戦時は今知られているような大規模な戦争に発展してしまうと考えていた人間も少なかった。戦争が起こるにいたった起点も今か…

音楽の進化史 by ハワードグッドール

音楽というのは我々の身近にあるものであって、なんだかずっと前から音楽は音楽として存在していたかのようにすら思ってしまう。ゆえに音楽がいったいいつから、どのように変化をしてきたのだろうと考えすらしない人がほとんどであろう。音楽技法がまだほと…

バウドリーノ by ウンベルト・エーコ

エーコによる歴史小説。皇帝フリードリヒ二世の養子として数多の冒険に出かけ持ち前の嘘をもっともらしく語る能力によって自分たちの都合のいい事象を現実と混同させてきた男が最後に語る人生録が、この『バウドリーノ』という本になる。バウドリーノは歳を…

神雕剣侠 by 金庸

射雕英雄伝 by 金庸 - 基本読書の続編にあたる。登場人物が半分ぐらい共通していて十数年後という位置づけ。主軸は射雕英雄伝の主役たちの子供世代にうつっているので、本シリーズから呼んでも特に問題はないが、あまりお勧めはしない。その広がりと深さを増…

射雕英雄伝 by 金庸

金庸作品の中でもとりわけ評価の高い『射雕英雄伝』を読んだ。金庸とは中国語圏では一番といってもいいぐらい知名度の高い今尚生存中の作家で、作品はゲームにドラマと何度もメディアミックスされている。武侠小説と呼ばれる日本の時代小説と伝奇小説をミッ…

ハドリアヌス帝の回想 by マルグリット・ユルスナール

大震災が起こった時に、だれもそれを「たいしたことなかったね」という人がいないように、芸術のような価値判断の決まったものさしが存在しない分野でも、誰もが足を止め隅々まで制御の行き届いた、それでいて常に想像の範囲外に逸脱しつづけていくような、…

史論の復権 (新潮新書) by 與那覇潤

『史論の復権 (新潮新書) 』などとやたらと大層な書名がついていて身構えてしまう。が、中身はただの対談集(対論集と記載があるが)である。7人との対談が収録されているがそのうちラスト3つはドラマや映画の話をしているので(歴史にある程度関係がある…