基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

HONZ掲載

剣のように強い力を持った本の記録──『戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)』

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)作者: モリー・グプティル・マニング,松尾恭子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/05/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る紀元前から人類は図書館と共にあったが、それは場所が戦地にあっても…

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』

貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで作者: カビールセガール,Kabir Sehgal,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る貨幣の歴史について語った本は数多い。それ…

なぜ彗星は地球に衝突するのか──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』

ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る作者: リサ・ランドール,向山信治,塩原通緒出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2016/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない…

脳科学について知りたい人へ最初に渡したい一冊──『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-』

メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-作者: 高橋宏知出版社/メーカー: 日刊工業新聞社発売日: 2016/03/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「メカ屋のための」とあるように、本書はエンジニアに向けた脳科学本である。「な…

最先端技術が不可避的に内包しているリスクをどう舵取りすべきか──『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』

人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか作者: ウェンデル・ウォラック,大槻敦子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2016/03/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る最初に『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』と…

全世界の本を分析した研究記録──『カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する』

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する作者: エレツエイデン,ジャン=バティーストミシェル,高安美佐子,阪本芳久出版社/メーカー: 草思社発売日: 2016/02/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る世界中に存在する本の内容を…

"脱絶滅"が生態系の復活を可能にする──『マンモスのつくりかた: 絶滅生物がクローンでよみがえる』

マンモスのつくりかた: 絶滅生物がクローンでよみがえる (単行本)作者: ベスシャピロ,Beth Shapiro,宇丹貴代実出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2016/01/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見るリョコウバト、ドードー、マンモスなどこの世界では絶…

君たちが大好きだ。心から──『これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集』

これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集作者: カート・ヴォネガット,円城塔出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2016/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るヴォネガット最後の著作となったエッセイ集『国のない男』が2007年に日本でも…

見えない場所で起こり続ける攻防戦──『スパム[spam]:インターネットのダークサイド』

スパム[spam]:インターネットのダークサイド作者: フィン・ブラントン,生貝直人,成原慧,松浦俊輔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/12/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る長い間迷惑メールに煩わされていたが、最近はフィルタ機能のおか…

真実はひとつ。人はそれにたくさんの名前をつけて語る──『千の顔をもつ英雄』

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ジョーゼフ・キャンベル,倉田真木,斎藤静代,関根光宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハ…

読み終えたが最後、徹夜はできなくなるだろう──『眠っているとき、脳では凄いことが起きている』

眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密作者: ペネロペ・ルイス,西田美緒子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2015/11/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る多くの人間は一日に6〜8時間ほどの睡眠をとる。そうな…

SFが現実化しつつある世を生きている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』

意識と脳――思考はいかにコード化されるか作者: スタニスラス・ドゥアンヌ,高橋洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2015/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る意識をめぐる本は最近も『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報…

体は星くずで出来ている──『スプーンと元素周期表』

スプーンと元素周期表 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: サム・キーン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/10/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る学生時代に元素周期表を見せられて「この対応を覚えるのだ」と言われた時程の絶望はなかな…

目指せデータ駆動型社会(not ディストピア)──『ソーシャル物理学』

ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学作者: アレックス・ペントランド,矢野和男,小林啓倫出版社/メーカー: 草思社発売日: 2015/09/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人間の行動は自由意志によってコントロールされて…

「文明」の土台を知るために──『人類を変えた素晴らしき10の材料』

人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する作者: マーク・ミーオドヴニク,松井信彦出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2015/09/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を…

世界の辺境と中世日本に共通点を見いだす──『世界の辺境とハードボイルド室町時代』

世界の辺境とハードボイルド室町時代作者: 高野秀行,清水克行出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2015/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る高野秀行さんと清水克行さんによる「世界の辺境と中世日本って…

一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』

習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法作者: ジョッシュ・ウェイツキン,吉田俊太郎出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/08/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る趣味でも仕事でもいいのだけど、長く一つの…

新しい時代の技術と格差論──『ザ・セカンド・マシン・エイジ』 by

ザ・セカンド・マシン・エイジ作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2015/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る新しい技術が出…

わたしたちの世界は、わたしたち自身だ──『生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来』 by :アンディ・クラーク

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)作者: アンディ・クラーク,呉羽真,久木田水生,西尾香苗出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書名でまず惹…

本を読むときに何が起きているのか ー ことばとビジュアルの間、目と頭の間 by ピーター・メンデルサンド

本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間作者: ピーター・メンデルサンド,山本貴光,細谷由依子出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2015/06/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るあなたは今、この文章を…

この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた by ルイス・ダートネル

30年ぶりにシリーズ続編として公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は突き抜けて凄まじい、破壊的なエンターテイメントだった。崩壊した地球文明の後に残った脳筋の男共が滅茶苦茶に改造されもはや原形が何だったのかさっぱりわからない車とバイ…

漫画編集者 by 木村俊介

つい最近戦後のミステリ史を追うことを目的に行われた名編集者へのインタビュー集が刊行されてそっちについても書いたばかりだが、今度は漫画編集者へのインタビュー集だ。僕はそもそも編集者が書いた本や、編集者が受けているインタビューが好きだ。漫画編…

S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ by レム・コールハース

普段、線をぐりぐりと引きながら本を読む。あとで引用しようと思うぐっときた部分に、結論部分に、問題提起の部分に。概ねあとから読み返した時に、そこを起点として他の細部をずるずると思い出せるように引いている。というわけで、本書もいつもと同じよう…

ハイジャック犯は空の彼方に何を夢見たのか by ブレンダン・I・コーナー

我々は今では飛行機に乗る時に厳重な持ち物の検査を受ける。長い列ができて、それなりに時間がかかることも珍しくない。持ち込みは制限されるし、見られたくないものであってもガサガサとチェックを入れられてしまう。そうした状況への抗議はあれど、多くの…

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす by ポール・ロバーツ

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす作者: ポール・ロバーツ/神保哲生解説出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2015/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るTwitterやFacebookは常に何らかの更新が発生し続けてい…

サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊

書評集なんてわざわざ読まなくたってこの世には読みたい本・読むべき本はたくさんある。油断をすると積読はガンガン溜まっていってしまう。ま、僕は積読しないけど。しかし『神話の力』という神話をめぐる本の中で、いつも僕に勇気を与えてくれる一節がある…

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か by 小林雅一

ディープラーニング、機械学習、人工知能……正確な未来予測は無理でも、だいたいの方向性において人類は「技術的な進歩」を重ねてきたし、これからも重ねていくだろうということは予測できる。そしてその技術的な進歩が今後必ず起こるのがAI分野だ。本書はそ…

暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待 by エイドリアンレイン

※犯罪者を特定する因子は存在するのか? 『暴力の解剖学 神経犯罪学への招待』 - HONZ に書いたものの転載verです。ただ転載するのもあれなので最後の方にHONZの読者層を考えて省いた部分を補填しています。日本のようにかなり平和な国であっても人は人を殺…