SF
蜂の物語作者:ラリーン・ポール早川書房Amazon週刊少年ジャンプにはこれまで様々な打ち切り漫画が生まれてきたが、僕がその中でも最も打ち切りがショックだったのが、マキバオーなどで知られるつの丸による『サバイビー』だった。ミツバチを主人公に、その生…
こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:アマル・エル=モータル,マックス・グラッドストン早川書房Amazonこの『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、アマル・エル=モータル、マックス・グラッドスト二人の共作による…
スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法 (ブルーバックス)作者:向井千秋,東京理科大学スペース・コロニー研究センター講談社Amazon近年、イーロン・マスク率いるスペースXや、アマゾンのジェフ・ベゾスのブルー・オリジンなど、民間の宇宙関連企業が大きく伸び…
時の他に敵なし (竹書房文庫 び 3-1)作者:マイクル・ビショップ竹書房Amazonこの『時の他に敵なし』は、1982年に刊行されネビュラ賞も受賞した、マイクル・ビショップによるタイムトラベル・ラブロマンスである。今回が本邦初訳で、この時代にあらためて翻訳…
三体Ⅱ 黒暗森林(上)作者:劉 慈欣早川書房Amazon早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメの作品を一部紹介してみよう。早川書房は定期的に電子書籍セールをやるが、前回の大規模なものは確…
三体Ⅲ 死神永生 上作者:劉 慈欣早川書房AmazonSFとしてはこの10年で最大の話題作である、作家劉慈欣による『三体』。その三部作が、先日刊行されたばかりの『三体III 死神永生』(ししんえいせい)でついに完結!中国本国で大いに盛り上がり、その後ケン・リュ…
ポストコロナのSF (ハヤカワ文庫 JA ニ 3-6)発売日: 2021/04/14メディア: 文庫この『ポストコロナのSF』は、日本SF作家クラブ編集による、アフターコロナの世界を想像するSFアンソロジー。書き手には、『ゲームの王国』で注目を浴びた小川哲、芥川賞を受賞し…
彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学作者:キース・クーパー発売日: 2021/04/24メディア: 単行本地球外知的生命──エイリアンは存在するのだろうか。存在するとして、どこに、どんな文化を持って存在するのだろうか。人は科学で、SFで、奇妙…
君たちは絶滅危惧種なのか? Are You Endangered Species? (講談社タイガ)作者:森 博嗣発売日: 2021/04/15メディア: 文庫この『君たちは絶滅危惧種なのか?』は、リアルとヴァーチャルの区別が曖昧となった未来の社会を描き出していく、森博嗣によるWWシリー…
複眼人作者:呉 明益発売日: 2021/04/05メディア: 単行本この『複眼人』は、『歩道橋の魔術師』や『自転車泥棒』で知られる台湾作家、呉明益の最新邦訳作にして、代表作と言われている作品である。本作に対する、ル・グインによる「こんな小説は読んだことが…
宇宙の春 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:ケン リュウ発売日: 2021/03/17メディア: Kindle版本作『宇宙の春』は、中国と米国、作家と翻訳家を股にかけて活躍する作家ケン・リュウの日本オリジナル短篇集第四弾である。独立した話の短篇集なので、もちろ…
断絶 (エクス・リブリス)作者:リン・マー発売日: 2021/03/25メディア: 単行本この『断絶』は、中国が発生源となる未知の病シェン熱が世界に蔓延し、文明が崩壊していくアメリカを描き出す終末ロードノベルだ。語り手は6歳の時に中国からアメリカへやってきた…
最終人類 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:ザック ジョーダン発売日: 2021/03/17メディア: Kindle版この『最終人類』は著者ザック・ジョーダンのデビュー作にして、最後の人類となった少女が同胞を求めて多様な種族が存在する宇宙を冒険していくスペース・オペラで…
この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選 (創元SF文庫)作者:J・J・アダムズ発売日: 2021/03/11メディア: Kindle版この『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』は、その名の通りパワードスーツ物を集めた特殊テーマ・アンソロジー。パワードスーツ物…
クララとお日さま作者:カズオ イシグロ発売日: 2021/03/02メディア: Kindle版この『クララとお日さま』は、カズオ・イシグロが2017年にノーベル文学賞を受賞してからはじめての著作となる。原題は『clara and the sun』だが、「太陽」ではなく「お日さま」な…
統計外事態 (ハヤカワ文庫JA)作者:芝村 裕吏発売日: 2021/02/17メディア: Kindle版この『統計外事態』は、ガンパレや刀剣乱舞のゲームデザインやシナリオで有名な芝村裕吏の最新のSFである。芝村裕吏は近年ゲームデザイナー・シナリオライター以外にも多数の…
蒸気と錬金 Stealchemy Fairytale (ハヤカワ文庫JA)作者:花田 一三六発売日: 2021/02/17メディア: Kindle版この『蒸気と錬金』は、『戦塵外史』や『黎明の双星』の花田一三六、約10年ぶりの新刊となる。小説家としてはけっこうなブランク明けの仕事というこ…
文章の元はIGN japanに『サイバーパンク2077』発売直前に寄稿した原稿だが、今はもうゲームも出ているので、それを踏まえた内容に全面的に加筆修正している。【PS4】サイバーパンク2077発売日: 2020/12/10メディア: Video Gameもうすぐ全世界待望のゲーム『…
中国・アメリカ 謎SF発売日: 2021/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この『中国・アメリカ 謎SF』は書名からして謎だが、柴田元幸と小島敬太の編訳者二人が、日本でほとんど翻訳されていない作家の作品をそれぞれアメリカと中国から持ちよったSFアン…
人之彼岸【ひとのひがん】 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:郝 景芳発売日: 2021/01/21メディア: Kindle版この『人之彼岸』は、「折りたたみ北京」を筆頭に中国のみならず世界で高い評価を受けているSF作家郝景芳(ハオジンファン)のAIテーマを中心に集め…
アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森…
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)作者:宮澤 伊織発売日: 2017/02/28メディア: Kindle版宮澤伊織『裏世界ピクニック』が、アニメ化を記念して先月出たばかりの5巻を除いて電子書籍ストアで半額セール中なのでオススメしておこう。…
サハリン島作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行本このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリス…
【PS4】サイバーパンク2077発売日: 2020/12/10メディア: Video Game『サイバーパンク2077』が発売された。もう何年待ったことか。幾度もの延期を繰り返し、ようやくマスターアップしたかと思いきやまさかのそこから再度の延期を繰り返し、と出る前から話題沸…
わたしたちが光の速さで進めないなら作者:キム・チョヨプ発売日: 2020/12/03メディア: 単行本(ソフトカバー)2020年は10年の区切りということもあって素晴らしいSF短篇アンソロジーが多数刊行され、SF短篇集も豊作だったのだけどここにきてまた凄いSF短篇集…
人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル (ハヤカワ文庫JA)作者:竹田 人造発売日: 2020/11/19メディア: Kindle版この『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』は、早川書房による第8回SFコンテストで優秀賞を受賞した作品だ。SFコンテストはここ3…
1984年に生まれて作者:郝景芳発売日: 2020/11/24メディア: Kindle版この『1984年に生まれて』は、郝景芳によって書かれた、中国の1984年前後から00年代頃までの情景が描かれていく長篇小説である。郝景芳はヒューゴー賞を受賞した「折りたたみ北京」をは…
黒魚【クロウオ】都市 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:ミラー,サム・J.発売日: 2020/11/19メディア: 単行本この『黒魚都市』は、2010年代にその頭角を現してきた、新時代のアメリカSF作家であるサム・J・ミラーによる二作目の長篇小説である。チャイナ・ミ…
2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者:エレン クレイジャズ,ハンヌ ライアニエミ,ダリル グレゴリイ,劉 慈欣,コリイ ドクトロウ,チャールズ ストロス,N・K ジェミシン,グレッグ イーガン,アレステア レナルズ発売日: 2020/11/19メディア: 文庫この『20…
バグダードのフランケンシュタイン作者:アフマド・サアダーウィー,柳谷 あゆみ発売日: 2020/10/26メディア: 単行本この『バグダードのフランケンシュタイン』は、アラビア語からの翻訳、しかもシェリーの『フランケンシュタイン』の流れを汲む物語である。SF…