基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

エリート層に対する痛烈な批判──『エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する』

エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する作者: オーウェン・ジョーンズ,Owen Jones,ブレイディみかこ,依田卓巳出版社/メーカー: 海と月社発売日: 2018/12/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るイギリス社会で富裕…

人類、生き延びすぎにもほどがある──『天冥の標Ⅹ 青葉よ、豊かなれ PART1』

天冥の標? 青葉よ、豊かなれ PART1 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るまさかまさか本当に天冥の標が完結する時がきてしまうとは……。この世は何があるのかわからない…

もしも人の心がわかる手術を受けられるとしたら──『クロストーク』

SF

クロストーク (新・ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: コニー・ウィリス,大森望出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/19メディア: 新書この商品を含むブログを見る『航路』や『ドゥームズデイ・ブック』のコニー・ウィリス久々の単独長篇がこの『クロスト…

SF映画の新たな時代を切り開いた傑作の裏側を描くドキュメンタリー本──『2001:キューブリック、クラーク』

2001:キューブリック、クラーク作者: マイケル・ベンソン,添野知生,中村融,内田昌之,小野田和子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る年越しのタイミングで、毎年特に何かしているわけではないのだ…

2018年 おもしろかった本とか

もう年末も年末なので、あまり気負わずに、がっつりともいかず、さらっとなんとなく2018年おもしろかった本について振り返ってみようかと。本といいながらゲームの話もするかもしれないが。しょうがないね、ゲーム好きだからね。 dokushojin.com おもしろか…

脚本家にとってのバイブル──『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』

ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則作者: ロバート・マッキー,堺三保,越前敏弥出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2018/12/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る世界的に有名な脚本講師であるロバート・マッキーの代表…

うまく死ぬには現代は複雑すぎる──『現代の死に方: 医療の最前線から』

現代の死に方: 医療の最前線から作者: シェイマス・オウマハニー,小林政子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/10/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る病気をしているわけではないのだけれども、最近死について考えることが増えた。はたして…

奇妙で奇天烈、詩情とヴィジョンに支えられた快作揃いのSFアンソロジー──『Genesis 一万年の午後』

SF

Genesis 一万年の午後 (創元日本SFアンソロジー) (創元日本SFアンソロジー 1)作者: 堀晃ほか出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/12/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るSFアンソロジーは『NOVA 2019年春号』が出たばかりだが、今…

無数のフィクション・キャラクターが入り乱れるホームズ・パスティーシュ──『モリアーティ秘録』

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)作者: キム・ニューマン,北原尚彦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/12/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見るモリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)作者: キム・ニューマン,北原尚彦出版社/メーカー: …

異なる道筋で進化した「心」を分析する──『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源作者: ピーター・ゴドフリー=スミス,夏目大出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るタコというのはなかなかに賢い生き物で、その賢さを示すエピソード…

犬の世界を知る一冊──『犬であるとはどういうことか―その鼻が教える匂いの世界』

犬であるとはどういうことか―その鼻が教える匂いの世界作者: アレクサンドラ・ホロウィッツ,竹内和世出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/12/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る犬を飼っており、散歩させている人たちは重々承知の助だと思うが、…

人間を超えた存在になりたいと願う人々──『バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する』

バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する作者: カーラ・プラトーニ,田沢恭子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/11/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの本を読むまで僕もまったく知らなかったのだが、世の中にはバイオハッカー、グラ…

早川書房が国内作家の電子書籍セールをはじめたので、勝手にオススメをピックアップ

SF

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/08/01メディア: Kindle版購入: 5人 クリック: 5回この商品を含むブログ (26件) を見る早川書房が国内作家の電子書籍セールをはじめたので、個人的なオススメをピックアップし…

最強メンバーを揃えて帰ってきたSFアンソロジー──『NOVA 2019年春号』

NOVA 2019年春号 (河出文庫 お 20-13)作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る良質なSF短篇を世に送り出してきたSFアンソロジー『NOVA』は全10巻及び『NOVA+』以後、刊行が途絶えていたが…

マジのアメリカ合衆国元大統領が書いたサイバー・サスペンス──『大統領失踪』

大統領失踪 上巻作者: ビルクリントン,ジェイムズパタースン,越前敏弥,久野郁子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る大統領失踪 下巻作者: ビルクリントン,ジェイムズパタースン,越前敏弥,久野郁子出版社…

破滅へと向かう銀河帝国──『星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー』

SF

星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョン・スコルジー,内田昌之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る《老人と宇宙》シリーズや『レッドスーツ』で知られるジョン・スコルジー最…

抽出された記憶データに潜り込み、他者に理解可能な形に翻訳する記憶翻訳者たちの物語──『風牙』

SF

風牙 (創元日本SF叢書)作者: 門田充宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「風牙」とは門田充宏(かどた、じゃなくもんでん)さんの創元SF短篇受賞作だが、本作はそれと同世界・同一人物を中心とした…

怪異によって人間のおぞましい本性が浮き彫りになる──『人喰観音』

人喰観音作者: 篠たまき出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る早川書房から珍しく純ホラーが出た(『裏世界ピクニック』とかあるけど)と思い興味深く読んでみたけれども、これは大変怖い。…

食を通して伝統・文化を知る──『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた作者: 高野秀行出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る本書は高野秀行さんの週刊文春での連載をまとめた一冊である。タイトル通りに、日本を含む…

音が支配する世界を描くディストピア音楽文学──『鐘は歌う』

鐘は歌う作者: アンナ・スメイル,山田順子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『鐘は歌う』は、〈大崩壊〉によってロンドンの橋という橋が落ち、人々の目はみえなくなり鼓膜は破れ、それをきっかけと…

みらいみらい、トランスヒューマンたちが織り成すSF童話がありました──『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』

SF

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集作者: 三方行成,シライシユウコ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/11/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る第6回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作がこの三方行成『トランスヒューマ…

新たな材料こそが、時代の扉を開く──『世界史を変えた新素材』

世界史を変えた新素材 (新潮選書)作者: 佐藤健太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/10/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る世界の歴史を駆動させてきた力を、化合物的な視点から見直していく『炭素文明論』の著者佐藤健太郎…

二つの事件が密接に絡み合う極上のフーダニット──『カササギ殺人事件』

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)作者: アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/09/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見るカササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)作者: アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭出版社…

恒星間宇宙船で起こる密室大量殺人事件──『六つの航跡』

六つの航跡〈上〉 (創元SF文庫)作者: ムア・ラファティ,加藤直之,渡邊利道,茂木健出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/11メディア: 文庫この商品を含むブログを見る六つの航跡〈下〉 (創元SF文庫)作者: ムア・ラファティ,加藤直之,渡邊利道,茂木健出…

異世界からの”帰還後に”苦悩を抱き続ける少女たち──『不思議の国の少女たち』

不思議の国の少女たち (創元推理文庫)作者: ショーニン・マグワイア,原島文世出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/31メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『不思議の国の少女たち』とは不思議な題名だが、読み始めてすぐに納得がいった。これは…

脳が進化していくどのタイミングで神が現れたのか?──『神は、脳がつくった――200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源』

神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源作者: E.フラー・トリー,寺町朋子出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/09/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る神は脳がつくったとはいうが、だいたいの感情や概念は…

悪魔のように邪悪な組織vsイタリア系のシャーロック・ホームズ──『ブラック・ハンド──アメリカ史上最凶の犯罪結社』

ブラック・ハンド―ーアメリカ史上最凶の犯罪結社作者: スティーヴントールティ,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/10/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見るブラック・ハンドという凶悪な犯罪結社が19世紀から20世紀にかけて存在した。…

世界を少しでも自由な場所へと変えていく、プログラマ主人公の連作短篇集──『ハロー・ワールド』

SF

【Amazon.co.jp限定】ハロー・ワールド(特典: オリジナルショートストーリー データ配信)作者: 藤井太洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見るhello worldというのはプログラマにと…

人間に子供が産まれなくなった未来を描き出す、森博嗣によるSFシリーズ、ついに完結!──Wシリーズ

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/10/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る森博嗣による、人間による子供がほとんど生まれなくなり、人工知能などの電子知性が人間を遥…

絶滅は本当によくないことなのか?──『絶滅できない動物たち 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ』

絶滅できない動物たち――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ作者: M・R・オコナー出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/09/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る人間の活動やそれに伴う気候変動によって物凄い数の生物が絶…