基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

(読書)日記のおもしろさについて

最近noteで読書日記的なものを書いている。 note.mu なぜ突然日記を書き始めたのかといえば、フリースタイル的な文章に憧れがあり、これまで何度も書いてきた(何度もやめた)延長と、noteで書き心地を試してみたかったから、という状況が噛み合ったにすぎない…

〈ゲーム・オブ・スローンズ〉原作者のSF短篇集──『ナイトフライヤー』

ナイトフライヤー (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョージ・R・R・マーティン,鈴木康士,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/02メディア: 文庫この商品を含むブログを見るゲーム・オブ・スローンズの最終章の終幕が間近に迫るさなか、その原作者ジョ…

偶然によって彩られた混沌(幻想/SF/刑事/ロード/能力者バトル/登山……etc)小説──『偶然の聖地』

SF

偶然の聖地作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/04/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る宮内悠介さんが雑誌『IN POCKET』にて数年に渡って連載していた長篇小説である。怜威という令和の時代にふさわしい名前の人物が、遠い血縁関…

脳に世界そのものが直接叩き込まれていく系SF──『宿借りの星』

SF

宿借りの星 (創元日本SF叢書)作者: 酉島伝法出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/03/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る作品数こそ少ない一方でその存在力は圧倒的な酉島伝法、『皆勤の徒』に続く第二作がこの『宿借りの星』である。『皆…

人類にはふたつの惑星という保険が要る──『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

人類、宇宙に住む: 実現への3つのステップ作者: ミチオ・カク,斉藤隆央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/04/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る理論物理学者にして、ディスカバリーチャンネルへの出演など、広く科学の啓蒙に勤めるミチオ・…

生物種の覇権を賭けて、女子高生18人がデスゲームに巻き込まれる!──『大進化どうぶつデスゲーム』

SF

大進化どうぶつデスゲーム (ハヤカワ文庫JA)作者: 草野原々,TNSK出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『最後にして最初のアイドル』でデビューした草野原々の最新作は進化の歴史を賭けて女子高生たちが800…

何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』

世にも危険な医療の世界史作者: リディアケイン,ネイトピーダーセン,Lydia Kang,Nate Pedersen,福井久美子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけるこ…

女性のみ、一日に喋れる語数が百語までに制限された社会を描くディストピアSF──『声の物語』

SF

声の物語 (新ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: クリスティーナダルチャー,オートモアイ,市田泉出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 新書この商品を含むブログを見るクリスティーナ・ダルチャーの2018年に刊行されたばかりのデビュー長篇…

ドラゴンカーセックス奇譚から人が死んだら電柱になる世界の話まで揃った奇想短篇集──『流れよわが涙、と孔明は言った』

流れよわが涙、と孔明は言った (ハヤカワ文庫JA)作者: 三方行成出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見るシンデレラや竹取物語といった童話が、もし人間が科学技術によってその姿を変質させたトランスヒューマ…

高尚な理由の背後に潜む、高尚ではない動機──『人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学』

人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学作者: ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー,大槻敦子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2019/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人の行動にはわかりやすいひとつだけの理由ではなく、複数の動機が存…

粘菌コンピュータによって思考する少女人形、天皇機関を中心とした伝奇SF──『ヒト夜の永い夢』

SF

ヒト夜の永い夢 (ハヤカワ文庫 JA シ 10-3)作者: 柴田勝家出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見るド真ん中のSFからキャラ文芸まで幅広くこなす作家・柴田勝家の最新作は、1927年、昭和2年を舞台の開始地点…

制作者による技術論から批評家による多様な視点まで──『アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門』

アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門 (Next Creator Book)作者: 高瀬康司,片渕須直,京極尚彦,井上俊之,押山清高,泉津井陽一,山田豊徳,山下清悟,土上いつき,土居伸彰,久野遥子,藤津亮太,石岡良治,渡邉大輔,泉信行,古谷利裕,吉村浩一,福本達也,原…

次の世界への道標──『光の量子コンピューター』

光の量子コンピューター (インターナショナル新書)作者: 古澤明出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2019/02/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る光子を用いた量子コンピュータについての一冊である。決して光のコンピュータがあるか…

終末的な世界を少女とロボットが旅をする、絶景ノベル──『エレクトリック・ステイト』

SF

エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE作者: Simon Stålenhag,シモン・ストーレンハーグ,山形浩生出版社/メーカー: グラフィック社発売日: 2019/04/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るスウェーデン出身のシモン・ストーレンハーグによって…

極上の華文ミステリィ短篇集──『ディオゲネス変奏曲』

ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)作者: 陳浩基,稲村文吾出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/03メディア: 新書この商品を含むブログを見る著者は警察小説『13・67』で一躍日本で名を馳せた陳浩基であり、本書は著者による全17篇を収…

当たり前のこととして人を喰う部族──『人喰い ロックフェラー失踪事件』

人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII-8)作者: カール・ホフマン,奥野克巳,古屋美登里出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2019/03/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見るアメリカ合衆国代41代副大統領のネルソン・ロックフェラーの息子、…

欠陥まみれのGDP──『幻想の経済成長』

幻想の経済成長作者: デイヴィッドピリング,David Pilling,仲達志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る一般的に経済成長はいいものだとされる。経済成長の計測については国内総生産、GDP…

都知事狙撃事件の〝真犯人〟を追うド真ん中のクライム・サスペンス──『泥の銃弾』

泥の銃弾(上) (新潮文庫)作者: 吉上亮出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/03/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見るこの『泥の銃弾』は『PSYCHO-PASS』関連のスピンオフノベライズや劇場版脚本で縦横無尽の活躍をする吉上亮の久しぶりのオリジナル長…

イーガンの最良の部分が詰まった傑作SF短篇集──『ビット・プレイヤー』

ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,山岸真,Rey.Hori出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るイーガンの最新邦訳短篇集である! イーガンは最近は『シルトの梯子』やら〈直交〉三部作…

多彩で多才な中国作家によるSF短篇集──『郝景芳短篇集』

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)作者: 郝景芳,及川茜出版社/メーカー: 白水社発売日: 2019/03/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る中国の作家郝景芳(ハオ・ジンファン)初の邦訳短篇集である。日本では作家ケン・リュウによって編訳された中国SF…

異常な傑作──『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール 』

雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール作者: 呉勝浩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2018/09/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る呉勝浩さんの作品はこれが初読だが、異常な傑作であった。最近僕はKindle…

原初の図書館から空想上の図書館まで──『図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待』

図書館巡礼:「限りなき知の館」への招待作者: スチュアートケルズ,小松佳代子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る図書館巡礼という名の通り、本書は世界各地の図書館について、本のない時代からボルヘス…

この世に存在する思考のすべてが記録された図書館──『叡智の図書館と十の謎』

叡智の図書館と十の謎 (中公文庫)作者: 多崎礼出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2019/02/22メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『叡智の図書館と十の謎』は多崎礼さんが中央公論新社の『小説BOC』に連載していた一〇の短篇小説をまとめたものにな…

『マルドゥック・アノニマス 4』と『マルドゥック・デーモンズ』

SF

マルドゥック・アノニマス4 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁,寺田克也出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るはい、冲方丁《マルドゥック》シリーズ最新作であるアノニマスの4巻と、公式スピンオフ漫画皆本形介…

意識と知性を問い続ける、ピーター・ワッツ入門に最適な短篇集──『巨星』

巨星 ピーター・ワッツ傑作選 (創元SF文庫)作者: ピーター・ワッツ,緒賀岳志,高島雄哉,嶋田洋一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るピーター・ワッツは『ブラインドサイト』や『エコープラクシア』とい…

間違いだらけの論文──『生命科学クライシス―新薬開発の危ない現場』

生命科学クライシス―新薬開発の危ない現場作者: リチャード・ハリス,寺町朋子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る毎年100万件以上の生物医学研究の論文が科学文献に発表されるが、その多くが間違っている─…

未来を見る方法──『WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択』

WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択作者: Tim O'Reilly,山形浩生出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2019/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見るプログラマからすると頭が上がらない技術書出版社のボス、ティム・オライリーによ…

オリンピック後、移民が急増した東京の姿を描き出す──『東京の子』

SF

東京の子作者: 藤井太洋出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/02/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るエンジニア主人公を中心とした、現実から地続きの近未来を舞台の切れ味鋭い国際サスペンスやSFの著作の多い藤井太洋の新作がこの『東京の子…

異世界からの”帰還後に”苦悩を抱き続ける子どもたちを描き出す、ファンタジィ三部作

不思議の国の少女たち (創元推理文庫)作者: ショーニン・マグワイア,原島文世出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/31メディア: 文庫この商品を含むブログを見る「不思議の国」や「ナルニア国」のようなファンタジックな世界から”帰還した後”の少年少…

どうして人間はこんなにも多くの本を破壊するのか──『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』

書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで作者: フェルナンド・バエス,八重樫克彦,八重樫由貴子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/02/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「書物」ではなく「書物の破壊」に注目し、そ…