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さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学/山田真哉

一昔前ベストセラーとなった、さおだけ屋である。
これ以降、こういったキャッチャーな質問をタイトルに押し出したまがいものの新書が続出することになる。
あらすじ
なんで、さおだけ屋はつぶれないの?


感想 ネタバレ有

読む前に、一応自分でも推理してみた。

まず第一の疑問点として、さおだけ屋が本当につぶれてないのかがわからなかった。みんなが潰れてないと思っているだけで、実際はもうさおだけ屋なんていないんじゃないかと。

実際、自分はさおだけ屋という存在がいるのは知っていても実際さおだけ屋なんて見たことも聞いたこともない。そもそも前提が食い違っている。

第一の推理として、さおだけ屋はみんながあると思っているだけで実際は無いというもの。 これは読めばわかるが、当たらずしも遠からずという結果だった。

そしてこれだけじゃあれだから、もうひとつ推理してみた。

第二の推理として、ヤクザが絡んでるのではないかと想像していた。ヤクザが、何かこう、カモフラージュのためにさおだけ屋で偽装してるんじゃ・・・!

もちろん大外れー。わからないことをなんでもヤクザにむすびつけるのはやめようとおもった。

そして、本当の理由だが、金物屋が副業でやっていたんだな。客に商品を届けに行くついでにさおだけーと流して、売れたららっきーと。つまり本業がさおだけ屋なんていう人たちは居ないわけだ。 

次に興味をひかれたのが、ベッドタウンに高級フランス料理店の謎

高級フランス料理店が、なぜ客の入りがほとんど期待できない立地条件のところにポツンとひとつだけたっているのかという謎だが、これもなかなか面白かったな。

副業としてフランス料理教室とワイン教室をやって、それによって本業の方の料理店の客集めも狙い、また高級フランス料理店で習っているという箔をつける事が出来るんだな。つまりこれが連結経営なのです。 と言われると、本当に理解しているか、実践する事ができるかは別にして、少なくともなるほど、そういうのが連結経営なのか、と思う事が出来る。


恐らく普通に、説明されても今いち理解出来なかっただろう。実体験を含んだ説明っていうのはどんな説明であっても有効だなぁと思う。

同じ会計の入門書のようなもので比較すれば、本書でも少し名前が出ていたけれど、金持ち父さん貧乏父さんがある。こっちも実体験?だったかどうかは忘れてしまったけど、わかりやすい体験談があってイイ。金持ち父さん貧乏父さんを読んだのはだいぶ前だから内容はほとんど忘れてしまったが、一軒家をローンで買う事や車を買うというのは負債を背負うのと同じことだ、だから貧乏父さんになるのだ。とか、負債を重視する考え方だったような気がする。

負債は財布からお金をとっていくもので

資産は財布の中にお金をいれていくもの

金持ち&貧乏父さんでの話は、いかに負債を減らして、資産を増やすかという話に終始していた・・・はず。

さおだけ屋ではその辺の話には触れてなかったな。


あと一つ面白いな、と思ったのが何故ワリカンの支払い役をいつも買って出る人がいるのか、という謎だな。

クレジットカードで払った場合、支払がかなり先なので、その場でほかの人たちからお金をもらったらその分増えたのか、となる。

そういう考え方が出来る人が数字のセンスがある人という事なのだろうか。

全体として、身近な疑問から会計にせまっていくという副題通り会計にさほど興味がない自分でも楽しく読めた。

ここらで終了。