あらすじ
榎木津が暴れまわる。
感想 ネタバレ無
なんかやたらややこしい事件が起きる→榎木津が出現する→榎木津がぐちゃぐちゃにして解決する。
全部このパターンだけど、このパターンを読みたいがために、読んでるのだから当然だ。破天荒なキャラクターによって世の中の理不尽をボコボコにするのが気持ちいから読んでいるのだ。
それ以外の事は求めていない。
そして面白かった。
しかし、久しぶりに京極夏彦の小説を読んだけれども、セリフが多いなぁー。というよりも一回に喋る分量が多い多い。うんちくを語るわ理屈をこねくり回すわでマシンガンのように喋りまくる。
榎木津の短編集のように書かれているけれど、実際問題一人称という視点でみれば、まるでもう一人の関口とでもいうような男が主人公、語り部なのだが。
薔薇十字探偵の憂鬱、鬱憤、憤慨、ときたが全部涼宮ハルヒシリーズのタイトルとかぶってるな。
〜〜の、とつくパターンは結構少なそうだ。結構被っている本を見るしな。タイトルを考えるのもなかなか難しい時代になっておりまする。
ミステリーとかいいながら、まぁ誰も死んでないし特に推理するわけでもないのだが。ミステリーというイメージしか湧かないのう。扱ってる問題は多岐にわたるというのに。
ネタバレ有
薔薇十字探偵の憂鬱
「一般大衆などと云うモノはこの世には存在しないんです。この世界には、ただ大勢の個人がいるだけなのだ。個人は、個人としての責任を果たしたくない時に、大衆と云う覆面をかぶるのです。責任の所在を不明にし、不特定多数に転嫁する卑怯な行為ですよ」
レイプを扱った作品。
読んでいて思った事は、悪いことするときは、バレても言い逃れできるように万全の準備をしてから、やらないとダメだなぁーと言う事だ。
もっともここに出てきたレイプ犯どもは万全の準備というには、お粗末だが、一応の準備をしていたがダメだった。まぁこれは榎木津がいたからで、いなかったらまんまと逃げおおせていただろう。
準備は大切だなぁ。
まるでレイプをするかのような書き方だがもちろんそんな事はない。
ただ、悪い事なんていくらでもこの先するのだから、準備だけは怠らないようにしようときつく思い立っただけだ。
薔薇十字探偵の鬱憤
瓶の中から亀が出てくるとかいうダジャレのためにあったような話ではないか!
そうではないか
くだらねぇええと思いながら読んでいたが、亀を集めていた娘さん、瓶の中に凶器を隠したから、それがバレないようにたくさん瓶を買い集めたってそりゃちょっと動機にむちゃがあるだろうとは思う。
探したら怪しまれるから〜とかいう理由は一応書いてあったが、まさか365日ずっと監視しているわけでもあるまいし、なんか無茶な振りのように感じた。
話自体も何だか昼ドラ的というか、テンプレートにのっとったような話で満足度としては三つの話の中では一番下か・・・。
薔薇従事探偵の憤慨
「何度も云うがな馬鹿オロカ。僕を誰だと思っているのだ? おいそこのボロ松。僕は誰だ?」
「神であります」
河原崎は真顔で答えた。どうかしている。
僕は誰だ?と聞いて即座に神であります、と答える二人がいたら正直いって怖いが。
思わず笑ってしまった。崇拝ぶりが半端ねえぜ・・・。
携帯電話がなかったり、金の価値が今とまるで違ったりで時代を感じさせる。
アカギのアニメだと邪魔だと感じるぐらいに、現代の相場にして〜〜万円であるとかいう解説が入ってきたものだが、ここまで完璧にスルーされてしまうと相場が違う事を忘れて、あれ?大したことないじゃないか、という気分になってしまう事がある。