基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ふたり/赤川次郎

あらすじ
死んだ姉の声が頭の中に聞こえるようになったりなんかしちゃったりなんかしてー

感想 ネタバレ無

面白いなー。さくさく読めた。

とても自然な話だった。というかこのネタ、どっかで見たことあるようなネタだけれども。最近どっかで見たネタだなぁと思っても、それをどこで見たのか全く思い出せない。

乙一のCalling Youかなぁとも思ったけど漫画でこんな話があったような。まぁいいや。

今マガジンでやってるサッカーのやつもある意味似たような話か。

完璧超人の姉or兄とそこそこ出来るものの、完璧超人の姉or兄に圧倒されて劣等感にさいなまれる妹or弟の成長物語という構図は、いったいいつまでこの世に居座り続けるのだろうか。

自然にするすると話が頭の中に入ってくるものの、なんかそのまま頭の中から抜けて行ってしまったような・・・正直いって2日前に読み終わったばっかりなのにあまり内容を覚えていない。

ベテラン作家で何作も出しているからだろうか。純粋に面白かったけれど、残るものがない、なんていったら生意気か。

その分、安定した面白さがある。リズムが崩れない。雰囲気が崩れない。あるべき結末へと向かっていく。

青春ものらしく、色々な事で悩む。家族の事、友達の事、学校の事、恋人その他いろいろ。これ以上ないほど青春している。ああうまく書けないけれど、そういう事が書きたいわけではなくて・・・。なんていうのかな、リアルであるというわけでもなく、かといってリアルじゃないというわけでもなくて、その中間?青春の一つの形?そんな感じ。

ネタバレ有


お姉ちゃんが、あまりにも完璧すぎてちとつらいなぁ。弱さを見せるような描写がほとんど無い。

死ぬ間際でさえ周りの事を考え続けるそのひたむきさはある意味戦慄した。それでいて声になって妹の中に生き続けるとか、あまりにも強い執念といえよう。というか、これはすでに呪だな。呪いだよ。

声だけの存在になっても、恨み事を何一つ言わないとか少し・・いやかなりおかしい。それでいて、妹にどこかへ行ってしまえと言われれば、即座に消えうせる潔さ。
似たような話で、消えちゃえと言われたら返事はしなくなったけれども、実は居るんだよ、というようなオチの話があったような気がする。今回の話も似たようなオチかと思ったら、勝手に美加はもうお姉ちゃんはいないんだ、と納得してしまっている。霊感でも備わってんのか?

お姉ちゃんの事を忘れないように、お姉ちゃんの話を書くよ、といって、その話のタイトルがふたり、だった時はやはりいい気持ちになったものだ。

他には特に書くような事もナシ。