基本読書

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水滸伝 七/北方謙三

感想 ネタバレ有

まだ七巻か。

今回の主な出来事は、宋江脱出、雷横死亡、時遷死亡、阮小五死亡、他にもまだあったかもしれないが、こんなところか

人数が増えてくるにしたがって頭も混乱してくる。しかし見事なキャラの書き分けというところだろうか。一人一人の主張がうまくかみ合っている感じがする。たとえば名言的な事をいったキャラがいたとして、そのキャラが矛盾した行動をとっているような事がない。

まぁ当然かもしれないが、それが108人もいるというのだから把握するのも大変だろう。もう何人か死んで100人ぐらいになっているかもしれないが。

というかまだ108人そろったかそろってないのかもわからないが。


 「志がどうあるべきかなど、ひとりひとりで違う。おまえは土を捨て、闘いを選んだ。大事なのは、それなのだ。闘いぬく事が出来るのか。自分が選んだ事を、やり遂げられるのか。志は、難しい言葉の中にあるのではない。おまえのやることの中にある」

宋江のセリフだが、パっとみたかんじ晁蓋がいったような感じがする。何故だろう。

七巻まで読んで、多少気になる点も出てきた。塩の道塩の道と凄く大切そうに何回も繰り返して書かれているものの、その実態が全く描写されていなかったりまたしても同じく、替天行道と何回も大切そうに書かれているのにその中身が全く書かれていなかったりと。


 よく見ろ、これが梁山泊の雷横だ。挿翅虎と呼ばれた、雷横だ。空を飛ぶ虎。そう呼ばれるわけを、いまから見せてやる。

 俺はまだ立っている。雷横は思った。男は、決して倒れたりはしないのだ。

雷横格好いい。ほっとんど名前も覚えていないようなキャラだったのに・・・。
それにしても時遷の死と比べるとあまりにもかっこよすぎる。というか、戦えるキャラは必然的に格好いい死に方を迎える事が出来るなぁ。闘えないキャラは、なんというか地味な死に方をせざるを得ない。時遷なんか、女を追い詰めて殺そうとしたら後ろからグサリ、だもんな。いいところの見せようもない。せめて死ぬ間際に少し喋れれば格好いいセリフをいって死ねたかもしれないのに、後ろからグサリじゃそんな事も無理だ。

ていうか死に際のセリフが「なんなのだ」で終わる時遷はひょっとして梁山泊でトップ10には入るぐらい微妙な死に方をするのではないか。いや、まだ7巻でこんなこというのもなんだが。読み終わった時は複雑な気持ちになったものだ。

結構重要な人だったんだけどなぁ・・・。

宋江が今までやってきたことは割と悪い方向に向いているような・・・。いや、宋江システムによって仲間が増えているのはわかるのだが無駄に危険な目に会いすぎではないかと。もう少し自重しろと。晁蓋に戦に出るなという資格はこやつにはないな。