基本読書

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秘曲 笑傲江湖 第三巻 魔教の美姫/金庸

感想


げげごぼうぇ、めちゃくちゃ面白いじゃないか。気がついたら読み終わっていてそして何事もなかったかのように四巻を読み始めたぐらい面白いぞ。そして読み進めるたびにどんどん移り変わるこの展開! なんていうことか。そして岳不群の株がどんどん下がっていく。岳霊珊と林平之も。令狐冲の不幸っぷりにはもはや目も当てられない。もういっそのこと虐殺です、ルートに入ってしまえばよろしいものを、令狐冲のしちめんどくさい義とかいうもののせいで余計ややこしいことに。ああもどかしい、もどかしい。どきどきわくわくを合わせたのと、やきもきの度合がちょうど半々ぐらいで別れているような、そんな気分だ。


令狐冲の死ぬ死ぬ詐欺はどうにかならんのか。一向に死ぬ気配が見えないじゃないか。色んな手をつくす描写はいいが、全部無駄になっていて、それでもまだ生きている令狐冲。無敵超人か。平一指はとんでもない論理破綻で勝手に死ぬ。滅茶苦茶びっくりした。まるで機械に、お前は何故生きているのか、と問いかけたら処理能力が足りなくてショートするみたいに自分の論理が維持できなくなってしんだ。こんな奴らばっかりだ、中国。なんて恐ろしい。一人なおしたら一人殺す、じゃあなおせなかったらどうすればいいんじゃ→俺が死ねばよくね? っていったいどんだけ飛躍しているのだ。殺人名医、あまりに平然と死ぬから思わずえっと声を上げた。そういえば二巻で死んでいった劉正風と曲洋の二人も、突然二人仲よく昇天したな・・・。


しっかし任盈盈といい、儀琳といい二人も自分に言いよってくるのがいるのだから平然と鞍替えしてしまえばよろしいものを、令狐冲。なんなら二人共とってしまえばよかろう。岳霊珊だって平然と乗り換えたのだから、いつまでも岳霊珊にウジウジと悩みやがって、読んでるこっちまでイライラしてくるわ。水滸伝の世界じゃ、自分を悩ませる女なんて斬っちまえばいいんだ、というような超論理が平然とまかりとおっているのに、令狐冲は思い切りが足りんな。英雄の資質が足りんぞ。張飛だって部下をなぶり殺しにしていたじゃないか。いまこそ虐殺の時だぜ、令狐冲。岳霊珊や岳不群をぶっ殺して喰ってしまえばいいのじゃ。がっはっはと笑いながら。魔教の人間となって天下を統一するんじゃあ! 気に喰わないやつは全員ぶっころして進むのが中国のいいところである(偏見)


おばあさんだと思っていたのが実は絶世の美女だったっていううまい話、どこかで何度も読んだような気がするのだが思い出せない。特定のシュチュエーションというよりも、物語の王道という感じで覚えているのだろうか。確かに似たような話はいろんなところにあるような、ないような。シンデレラだって、おばあさんではないものの似たような話だ。というか読んでれば最初から分かりきった話ではあるが。ただ、任盈盈のせいで問題が増えている事は確かだ。ふむん、女難だな。問題のほとんどが、わけのわからん義と痴情のもつれからきているのではないか。これはやっぱり近づいてくる女は一人残らず斬り殺すのが一番正しい対処法ではないだろうか。


ついでにこの任盈盈、とんでもないツンデレである。好意を絶対に気取られまいと顔を真っ赤にする場面とか、好意を悟られまいとあ、あんたのためじゃないんだからね! と叫ぶところとか。ツンデレ任盈盈+好意を率直に伝えてくるタイプの儀琳でどうもヒロインサイドは鉄壁である。まだまだ増える可能性もなきにしもあらず。五毒教の鳳凰が熟女ポジションだとして次は幼女か?さらにお約束を大事にするのならば、まだ宿命のライバルが出てきていない。ともにお互いを高め合っていくライバルと、誰もがうらやむヒロインがいてこその王道ストーリーだろうがぁ! あっ それが林平之か? それから倒すべきラスボスだな。でかければでかいほどいい。地球制服をもくろむ本物の邪悪的存在、魔王が突如現れて令狐冲率いる魔教と林平之率いる正派が、一時の戦いを中断し世界の危機に立ち向かう! よしこのストーリーで行こう!


あー早く岳不群と岳霊珊と林平之しなねーかなぁ