基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

グイン・サーガ① 豹頭の仮面/栗本薫

終わりのないグイン・サーガレースに参加する時が来るとは思わなかったぜ・・・。
大長編グイン・サーガの記念すべき第一巻である。とりあえず一巻としては文句なしの面白さである。問題は、どこまでこのレースを進むことが出来るか。聞いた話によると、途中からやけにぐだぐだしてくるらしいが、まぁ適当に面白いと思うところまでは読み続ける事にしよう。これはいいおもちゃが手に入ったものだ。読む物が無くなったらとりあえずグイン・サーガを読めばいいのだから。

グイン・サーガについて何の知識も持ってないので、先入観なく読み進める事が出来た。といっても、この豹頭の主人公が王になることは、この先に発刊されているタイトルから推測出来てしまう。読んでみればこの豹頭の主人公、グインであるが、どうにも頭が悪いような気がしてならない。基本的に行き当たりばったりの行動しかとってないではないか。どうすりゃいいかわかんねーけど、まぁ俺がなんとかしてやるから安心してなって、とピンチの時には必ず言っている。脳筋野郎が王になったら国民が可哀そうだと思うが、ピンチになってもその腕っ節で敵をぼっこぼこにしながら進んでいくのだろう。

しかしこれ、獣人じゃなくて仮面なのだな。タイガーマスクさんだったとは恐れ入る。いつかこの仮面が外れた時に、中から出てきた顔はイケメンでした! とかいう展開だったら燃えていいのか怒り狂っていいのかわからん。いや、怒り狂おう、そうしよう。今決めた。罵倒しまくってやろう。そこまで読むかどうかわからぬが。

グインがゴリラを屠ったあたりからもうグイン世界の虜になったといっても過言ではない。グインvsゴリラの戦いは見事であった。トリコに出てきた腕四本あるゴリラぐらいの大きさなのだろうなぁーと想像していたのに、イラストを見たら人間の1.5倍ぐらいで、やけにバランスがとれていてリアルに強そうな感じで吹いた。このゴリラのイラストから伝わってくる圧倒的強さ感はほんと凄いな。人間の三倍ぐらいの大きさだったらむしろファンタジーとしていい感じに現実感も喪失していったのに、1.5倍ぐらいのゴリラだと妙な存在感が・・・。しかしタイガーマスクさんはパンツ一丁だし、プロレスやっているようにしかみえん。

レムスがピンチになるたびに、人の名前を連呼するというわけのわからないキャラなので思わず笑ってしまう。何故ならば、リンダの事を連呼するとリンダリンダー!となって、ブルーハーツのあの名曲を思い出してしまうからである。思わず頭の中で甲本ヒロトリンダリンダァー!と歌い出して爆笑である。ぷぷっ。 それどころか、最後の方でリンダリンダリンダリンダリンダー!と五回ぐらい叫ぶ場面があって、シリアスな場面なのにまた甲本ヒロトが・・・ぷぷっ。こいつが今後もリンダリンダと叫びつづけるならば受けて立とうじゃないか。今度からこいつのことは甲本と呼ぶ事にしよう。

セム族の鳴き声が、イー!イー! ってお前らショッカーかよ! いくらでも出てくるところといい、その弱さといいまさにショッカーである。つっても数の暴力でダースベーダーみたいな騎士たちをぼっこぼこにするんだからすげぇヤツらだ。

振りかえってみると、まるでグイン・サーガを徹底的にバカにしてるかのような書き方だが、そんなことはない。非常に尊敬している。また、一巻としても申し分のない面白さである、と冒頭に書いたがどこがそんなに面白かったのか。まず圧倒的な謎の数々が魅せる。このタイガーマスクが一体何なのか、とか。謎をあげればきりがないのだが、さらに一巻からまるで指輪物語のクライマックスかのように攻められまくる。闘いまくる。

この展開の速さが、恐らく途中から無くなっていくのだろう。批判を見ているとそう思う。まぁグインだって、笑傲江湖の令狐冲みたいな死ぬか死ぬかの戦いばかり、したくないだろうから、いいんじゃないかな。

あとがきで筆者が自分のことをぼく、ぼくと連呼しているので思わず男なのかと思ったがやっぱり女性だった。一人称がぼくだっただけか・・・。自分のことを俺という女性は数人しっているが、こんなにあからさまにぼくと書く人がファンタジーの世界だけじゃなくこの現実世界にもいたとは驚きだぜ。