基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

空の境界 未来福音/奈須きのこ

とらのあなから届いて、ワクワクして開けてみればあまりの薄っぺらさにびっくり。
開いてみて漫画が結構な量挿入されていることに二度びっくり。
読み終わって漫画も小説も、長さに関係なく面白くて三度びっくり。
さらにいえばラストに驚愕の内容が書かれていて四度びっくり。

びっくりさせられまくり。一時間もかからずに読み終えてしまったが買ってよかった・・。

空の境界本編に引き続き、ばらばらのパズルのような構成になっている。これがまた、ちょっと考えれば簡単にわかるようになっているのが憎い。内容といえば、相変わらずやっていることのパターンが本編と何一つ変わっていなくて安心する。幹也が持ち前の親切でことを丸く収め、式は暴力で持って面倒ごとを抹殺する。ありゃ、やっていることが変わっていないというよりもいつも通りのキャラクターがいるのを確認して安心しただけか。同人という扱いだからか、いわゆるきのこ節という文章が強かったような。これが無いと奈須きのこを読んでいるっていう感じにはなれないので、大歓迎すべきところである。

映画もそろそろ佳境だし、こんな薄っぺらいものじゃなく本編を書いてほしいという気持ちもある。というより未来福音を読んで、強まったと言っていい。でもこれを読んだらないかなーと・・・。 あるとしたらマナとミツルの話かな。なにしろマナが生まれたとしたら種植えは本編の事件直後であって、二人の話を書くとしたら難しいことになるだろうから。これ以上ないってぐらいまとまっているので正直、出されなくても満足度に変化はない。ただ、出たら絶対に面白いだろうな。

三人の未来視の人間が出てくる。一人は予測型、一人は測定型、もう一人はなんだ? ルール無視? 無敵未来視人間? あまり関わってこない。未来が見えるっていう設定自体はもはや使い古されている感じがして、どうかなぁと思っていたのだがいやはや・・・どうしてこんなに面白いのか。

未来視の設定がきのこ風に組み替えられてしまっていて、何の違和感もなく溶け込んでいるこの自然な感じ。

未来福音だけでなく、未来福音・序もインパクトでいえば未来福音にまったく負けていない。むしろこの短さでよくも・・・というレベル。まさか空の境界上下を読まずにいきなりこれから読み始める人間もいないだろうからいいのだろうが、識の話は読んだ人じゃないとわからんだろう。しかもちょっとさかのぼってみると、マナが識のことをお父様と呼んでいる場面があってここもまた気持ちが良い。たった6ページの識の話だけど、これがないと空の境界を読んだという気分にはなれなかったかもしれない。未来福音が、未来が見えるとしても変えることができるという話だったのに対して、絶対に変えられない未来があったとしても、変わりに続くものがあるというこの終わり方が心地良い。