やっちまった。見てしまった。ネタバレを、完膚なきまでに読んでしまった。123巻のあとがきを読んでしまった。
なんてこった。ははっ笑いが止まらねーぜ。イシュトヴァーンが王になってグイン王と戦うだと? 確かにこの巻でも2巻でも1巻でも、やたらとイシュトヴァーンは運命運命うるさかったな。俺は王になる男なんだ! ってお前はルフィか! 海賊王か!? こうして考えてみるとイシュトヴァーンの発言、ネタバレ以外の何物でもない。 ということはルフィの、海賊王に、俺はなる! というセリフも壮絶なネタバレといえなくもないなぁ。いやはや、世の中ネタバレで満ちている。こいつだけはいかんともしがたいねえ。
イシュトヴァーンネタだと、この巻でやけに〜〜に誓って! というフレーズが多用されている。いったいどれだけのバリエーションがあるのか書き出してもいいのだが、あまりにも無意味すぎるからやめる。
カラー絵が凄いと思うのだが、絵について無知を通り越してマイナスにいっているぐらいなので、何も書きたくない。だが前に脳関係の本を読んでいた時に、ダ・ヴィンチか誰かが書いた躍動感あふれる馬の絵とそっくり。凄いなぁ。
さて、あらすじでも書くかな。
あらすじ
イシュトヴァーンのアホのせいで命からがら逃げ出したものの、よくわからんことになっていて大ピンチだったグイン御一行様。何だか色々あって目の前はイドで満ちていた。さすがのグインもここで終わりか!? と思いきや、素晴らしい名案を思い付き次々とショッカーやイシュトヴァーンに命令を下す。二人の子供は生まれついての独裁者だぜグインの兄貴! とグインを称賛してやまない。今まで力でなんとかするしかないただの脳味噌筋肉野郎だと思っていたが思いのほか機転が利くようで、その点を反省する。だがこいつの才能は全て人殺しという最大目標のためにしか使われないらしく、イドさえも敵を大虐殺するための手段として使う。みんな渡りきって、最後に残ったグインさんはターミネーターよろしくアイウィルビーバックとでもいいながらイドの底に沈んでいくのかと思いきや鎧を身につけて強行突破する。しかも体中にまとわりついたイドを自身に火をつけることによって全て燃やす。その時のイラストはどっからどうみても、ダイの大冒険のフレイザードであり、笑いをこらえるのに必死だった。マジグインさんパネェ。パネェ。お前はむちゃくちゃだ! と言うイシュトヴァーンに対して、俺にだって分別ぐらいあると答えるグインさん。誰もがお前にそんなものがあるとはおもえねぇ、と思ったはずであるがグインさんに突っ込むことはすなわち死であり、グインさんは絶対正義であって方角を指し示すコンパスである。まさかコンパスが北を指し示しているのに、わざわざ南にむかってこっちが北だ! コンパスに騙されるな! などという無謀な真似をするバカがいるはずもない。誰もグインさんの絶対君主制に逆らえないのである。彼は物語の運命という絶対的な世界のルールを味方につけており彼は今のところ樹海に入ったわけでもないので全て正しいのである。ついにセム族の村にたどり着いたグイン一行。ゴンドールの軍勢がすぐそこまで迫っていることを告げる。だが部族間闘争の激しいセム族の間で団結することは不可能かに思えた。だがグインさんの敵を虐殺する才能がここでも発揮され、見事にセム族をまとめあげる。正直この場面は、指輪物語のサウロンを相手に一致団結する人間族を思い出して燃えた。さて、無謀にもグインさんに喧嘩を売りにきた18歳少女(名前がわからん)。バカにされて逆上して追いかける。そんでもってイドに大量虐殺を許す。面白くてしょうがない。グインさんにはやっぱり血しぶきがよく似合う。逃げたと思いきや、イドはまだまだ続いていた! さらに、両横から攻めよせるセム族! グインさんの大量虐殺の計がまさに決まって混沌とした戦場になった瞬間、終わるのである。
そういえば何か今後重要になりそうな人物が出てきてたな。カウ・ロイみたいな名前の人。カル・モルだった。なかなか個性的な名前じゃないか。名前といえば、正直18歳少女とやたらとグインを殺してやるー!って叫んでる男の子の名前がどうにも区別がつかんのだよね。二人ともアで始まるし。青い騎士とか黒い騎士とか赤とか白とか、どれがどれだかもう全然わかんないし。というかこいつら名前がどうしても覚えられないから早く死ねばいいのに。マルスだとかマリスみたいな似てる名前の人がいて、マリスみたいな名前の人が死んだ時に、あれ? 重要そうなやつだったのに死んだ? と思ったら別人だったり。覚えられないというよりも、覚える気が無いと言った方が正しいのだけれど。覚える気にさせられないキャラクターの名前なんだよなぁ。カラマーゾフの兄弟だったらどんなに複雑な名前でもすぐに覚えられたのに。たかだか6文字か7文字の名前が覚えられないなんて・・・。
人を殺す事について何のためらいもないグインさんはやっぱり天性の人殺しだな。あっちへいって殺し、こっちへいって殺しという人生を送るのだろうなぁ。独裁者は生涯敵を探し続けなければ、人気を維持できないというけれど、グインさんが王になったら多分その国は一年中戦争し続けなければいけないのだろう。だいたいグインさんから戦争をとったら何が残るっていうんだ。ジャガーになった男みたいに、戦争が無くなったら戦争があるところまで出かけて行きかねん戦争ジャンキー。誰にだって一つは才能があるっていうけれど、その才能がグインさんみたいに虐殺の才能だったらそいつは生まれながらにして最悪な人生を送ることが決定づけられているわけだ。なんとも酷い話。
今回双子の影があまりにも薄い。ほっとんど発言してないじゃないか。ほとんど戦闘だったからなぁ。かかれぇー! とか、総員戦闘準備! とか イーイーっ! とか、 アーッ!イーイーっ! とかそんなセリフばっかり。ビックリマークが過去最高に多かったんじゃないだろうか。ビックリマークがついていると、何だかこっちもついつい叫びたくなってしまうんだよね。
4巻ではイシュトヴァーンに託された役目とかが明らかになるのだろうか。楽しみ楽しみ。