基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ラゴンの虜囚―グイン・サーガ(4)/栗本薫

あらすじ
大量虐殺され、相手を今までの獣と侮ってはおれん、とばかりに作戦を立て始める18歳金髪女。この女作戦っていう言葉知ってる? というぐらいアホなので敵に突っ込むか、突っ込まないか、の二択しか選択できないらしい。なんて女だ。よくこの兵士たちは、こんな少女の指揮に従ってるな。お前みたいな高飛車な女に命令されるのは死んでもいやだね、なんていうやつはいないらしい。そのくせピンチになるとキャー!とかまるで静香ちゃんのように悲鳴をあげるのでかわいらしいことこの上ない。

いきなり重要な設定がぽんぽんと出てくる。あの豹頭の仮面の下にはいったい何があるのやら、という問いに、これこれこういう英雄がおります、と列挙する。それがおいおい・・・と突っ込みたくなるぐらい大量に居て、なるほどこれから100巻以上を使ってこいつらが全員出てくるんだなと納得。どうやらシムハラ、という名前の島国の王は代々豹頭らしい。もう決定的じゃないか。しかし島国というとどうしても日本的な何かを想像してしまう。

一体どういう任務を与えられたのか、とわくわくどきどきしながら待っていたら、どうやら敵地への潜入任務であったらしい。それにしてもずさんな計画である。ふらふらと出てきたやつを拉致してすり替わるとは・・・。こんなモビルスーツみたいな全身を覆う鎧を使ってるからアホな作戦にひっかかるのである。如何ともしがたい。顔つきが気に入った! とマルスのおじいさんに登用される。そりゃそうだ、将来王様になる男だからな。それぐらい当然。

一方グインはラゴンを仲間にする! と旅立って行ってしまわれる。まるで人材マニアの曹操のように。こういう助っ人を頼みに行く任務って、指輪物語でもそうだけど、戦力にならないけれど人柄だけはいいよねっていう人たちが抜擢される傾向があるような気がするけど、この男自分一人で行くといって旅立つ。一人で旅している間に、砂嵐に出会い命からがら逃げのびてみればどこか知らない女の人がグイングイン! と名前を呼ぶ。重要な設定またしても現る。いったいグインはどこの誰なのか。さらに神の声がお前はまだ人間ではない、とディックの短編のタイトルのようにのたまい、でも大丈夫、三人のヒロインを陥としたらお前を人間にしてやるから! と言い消える。123巻の時点でもまだ豹のままだったので、人間にはなれていないのだろう。どうせ人間になったら超絶美形キャラなんだろうな。畜生。胸糞が悪いぜ。どっからどうみても顔がブサイクなプロレスラーが、顔を隠しているようにしか見えないのに。だいたいこんな気持ち悪いボディービルダーのような肉体で、顔が福山雅治だったらちょっとひくわー・・・。ブラッドピッドでもないわー・・・。なんとか自分を取り戻したグインは、色々あってまわりを狼に取り囲まれてしまう。だが虐殺しまくる。やっぱ無理、といって逃げる。狼王とかいうやつが現れる。ロボ? 狼王ロボ? まるで積年のパートナーか何かのように寄り添うロボ。ロボに飯を献上され、気分よくロボについていってみればそこには塩がいっぱい。やったねグイン。なんだかんだ色々あってグインは4人のラゴンと出会う。巨人族などと散々書かれていたので、全長20メートルぐらいのすげえ奴らなのだと勝手に想像していたら、グインより頭一つ分ぐらいでかいだけらしい。なんか拍子ぬけというかなんというか。巨人っていうほどじゃなくねぇ? というのが正直なところ。お年玉今年は10万行くかなぁ、PS3買っちゃおうかなあとか思ってたら1万円しかもらえなかったような気分。軍法会議にかけられどうなるグイン!? どうせ口八丁手8丁あとは王のオーラとか覇気みたいなもので説得しちゃうんだろうけどなぁー!

一方その頃イシュトヴァーン。潜入捜査をしているあいだに、セム族の襲来が! 何のためらいもなく人一倍セム族を殺すイシュトヴァーン。お前には遠慮ってものがないのか? アホな18歳少女の言うとおりに、セム族をおいかけてみれば落とし穴にはまるわなんやらで人が死にまくる。最後の最後の一番いいところでイシュトヴァーンが裏切り、虐殺の限りを尽くす。マルスおじいさんの恨みの声は非常に恐ろしい。イシュトヴァーンじゃなくたってひゃぁぁ! とかいいながら逃げるわ。さすがだぜグイン、その場にいなくても虐殺するのは忘れない。われらが虐殺器官グイン様のお通りだー!というところで終わる。


感想

あらすじで言いたいこと全部書いてしまったのではないか。これ以上何か書くことあったかな? 表紙のおっさんの顔が怖すぎる。こいつがマルスか。リンダとレムスの間に、グインが生まれ出たという表現があったが、なんだか重要なような。どうせ重要なんだろうな、畜生。何想像してもなんかむなしいだけだ。面白いなぁ、グイン・サーガ。でも面白いのは今のところグインとイシュトヴァーンが出てくるところだけなんだよなあ。モンゴール勢の描写はどうにも燃えるものがない。なにしろモンゴール勢ときたら、カル・モルとかいう気持ち悪いやつ、18歳バカ女、18歳バカ女に恋するグインに復讐男、こええマルスおじいさん、などなどろくな奴等がいない。なんか他にもいっぱいいたような気がするけど覚えてない。

次でセムvsモンゴールの戦いは決着がつくらしい。そこまでは一気に行くぜい。