あらすじ
囚われの身となったグインさん。こっちへこい! と外に連れ出される。村で一番強いものがなる勇者ドードー、それから賢者カー。ならばとグインさんはドードーをぶっ殺して俺がドードーになってやるぜ! といきりたつ。これだから強い奴は嫌いなんだ。重要な局面は全部腕力で解決しようとする。グインが悪霊で、塩を盗んだ大悪党だ! とのたまうラゴン一族に抵抗するグイン、俺は申し開きすることができるという。公明正大なみなさまの判断に期待する、と前おきして話はじめる。聞いてみりゃあ、俺は生きてるし動いてるし血は赤いから悪霊じゃないといい、塩を盗んだのは、それがいけないことだと知らなかったからだという。いっけん正しいような、そんな言い逃れで助かるんだったら世の中泥棒はいねえよ、という突っ込みが成立しそうな微妙なところである。さらにはアクラの使者であると言い、それについて突っ込まれたらアクラはなにものでもないとかなんとかかんとか、必死に言い逃れをするがさすがにすぐにバレる。この言い訳っぷりと、そのあまりのバレっぷりには思わず笑う。そしてついにドードーとの戦いへ!
はじめて苦戦したんじゃないか、グインが。それどころか後ちょっとで負けそうだったし。あんなにでかかった大猿さえも簡単に倒したのに、サイズ的にはそう大差ないドードーに苦戦するってのはやっぱり知能の差だろうか。トリコでも、単純な戦闘力が勝っている方よりも知能が高い方が勝つっていってたし。つってもグインとドードー、知能が必要な戦い方してねーけど。こんな大きな相手と闘って引き分けるグインがむしろ強すぎる。素手での戦いなら圧倒的に躰がでかい方が有利なのに・・。こんなジャイアント馬場みたいなやつにタイガーマスクごときで勝負になるのか!? でたぁー!! 馬場のコブラツイストだぁー! おおお! ここで馬場の十六文キック! こいつらの絵、全員同じ顔だから怖すぎる。遺伝子の反乱か。近親相姦の恩恵か。男も女もジャイアント馬場。うげぇ。
最終的になんかつかんだものをドラえもんの道具のように、アクラのしるしー! と出したらみんなが水戸黄門の印籠を見たかのようにヘヘー御代官さまああと触れ伏す。なかなか面白い。
この展開どうしても指輪物語を思い出すんだよなぁ。あの樹が助けに来てくれる場面。まあ決闘なんてしなかったけど。
さてここからはいかにグインさんを劇的な状況で登場させるかの舞台設定が延々と描かれることになる。ここで一番重要なことは、いかに絶望的な状況にするかでありひたすら残酷な描写が、絶望せざるをえない描写が大量にひしめきあうことになる。双子はとらえられ、イシュトヴァーンは逃げ、スイは斬られ、セム族は半分以上死に、ここまでやるかぁー!てか残りページあと20ページきったぞ!? ひょっとしてグイン登場は次の巻とかいわねーよな!? とかドキドキしながらよんでいたらやってくれた。やっときたよグインさん。巨人族を大量にひきつれて、敵に突撃していく。ついでにイシュトヴァーンもやるときゃやってくれる。ほんとにこいつは地味なような派手なようなよくわからないやつだ。巨人族が虐殺のかぎりをつくしてくれたおかげで、18歳金髪少女は顔を真っ赤にしておうちにかえっていきましたとさ、めでたしめでたし。
感想
またしてもあらすじだけで言いたい事は全部言ってしまったような。あとがきの異常なテンションの高さはワンピースの尾田氏の単行本的なノリでなかなか面白い。カラー絵の、ラゴン達がすんでるところの絵が想像してたのとまったく違って吹いた。まるで異世界じゃないか。いやそうなんだけどね。いやーしかしここまでの派手な戦いをのりこえてまだ5巻って信じられないね。もう指輪物語を全部読み終えたぐらいの冒険をしたような気がするぐらいだ。つーかこいつら、いったいどういう名前の決め方をされているんだろう。ドードーとか。ポケモンしか思い浮かばないんだけど。
最大の疑問点は、なんでグインさんは上半身裸がデフォルトになってしまったの? ということである。作者本当にグインさんをプロレスラーにしたいんじゃないの? 裸の男二人がスデゴロのタイマンとか狙ってるとしか思えないんだけど。こいつが最後に鎧とか服着ていたのっていつだっけ? 砂漠って夜相当冷えるんじゃ? グインさん服着ろよ。いぬまるだしじゃないんだから。
セム族が言い争いをしている場面は何だかめんどくさかったな。そこぐらいかな、気に入らなかったところは。滅茶苦茶面白い。どんどん読み進めていこう。