基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

トップラン〈第3話〉身代金ローン/清涼院流水

 相変わらずいいヒキですことで。まさかこんな展開になってくるとは夢にも思わなかった。途中まではもう三巻で折り返し地点なのに、全然話が先に進んでないなあとか考えていたのだがやはりここはちゃんとした折り返し地点だったのだ。今回のミッションは7500万円をいかに家族にバレずに隠し通すか、だったがそっちよりも貴船天使をいかに追い詰めるかという点に焦点があてられていた。なんだかんだいってプライバシーが保たれている家なので、アタッシュケースを隠すこと事態は大したことではないのだろう。舞台の年代設定が2000年ということで、その当時の衝撃的なニュースがあいまにはさまれたり、当時流行した歌手の解説を延々と20ページも始めた時はさすがにどうかと思ったっていうか意味がわからなすぎて笑ったものだったが、貴船天使との心理戦はなかなか見ごたえのあるものだ。今までの33問なども、心理戦として考えれば楽しめそうなものだがどうしても心理戦というと、人間vs人間でないとあまり真剣になれない。固定観念にしばられているせいで。

 うん、しかし当時のニュースを見たらやっぱりなつかしいなあと思うし、LOVEマシーンやら宇多田光が15週連続カラオケヒットチャートナンバーワンだったーとかいう話題をきいたら確かにそうだったそうだったみんなLOVEマシーン歌ってたと思い出すんだけど、で・・・だからなんなの? という思いを隠す事が出来ない。いやまあ笑えるからいいんだけど、笑えない人は真剣に怒るんじゃないかなあ。いやでもそれぐらいのことで怒るような人は3巻まで読まないか。今までのこまごまとした33問におよぶ問題の解説もようやくなくなって、物語がよりスマートになった。しかし最初の25Pぐらいはもう前回のおさらいページとして確保されていて、他に30ページ近く2000年のニュースやらヒットチャートやらを列挙していただけなので200ページ中55ページは正直いっていらないんだよな・・・。いやでもどうなんだろう。最終的にここの歌が実は重要な意味を持ってそうな気がする。実はあの時君たちが歌った歌が隠されたメッセージになっていたのだよ! とか平然とやりそうだし。油断がならない。

 恋子は最後に金を貴船につきつけるわけだけど、家族に現金をあらかじめ見せて、この作品を組み立てていたんだよなあ。たぶん。でないと春人とか凄く動揺しそうなものだけど。そうなるとルール違反ってことになる。まあ事ここにいたってしまった場合ルール違反とかもはやどうでもいいのだろうが。先が全く読めない。ルール違反なのか、違反じゃないのかすらもわからない。さらにこのあと登場するという少年狼(本名)が意味不明すぎてもはやどうしようもない。推理のしようがないなこれは。流水作品の場合大抵ビッグネームが事件にかかわっているから、恐らくこの物語も途方もなくでかくなっていくのだろう。第4話に期待である。