- 作者: 我孫子武丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/03
- メディア: 文庫
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ああしかし全体的にうまくまとまっていて普通だった。Amazonのレビューを見るとすぐにトリックがわかった、とか書いてあるけど全然わからなかったよ! これがヒントだよー! と凄い強調されているヒントが次々と出てくるのだが、それを一つに結びつける力が足りない。というか考えていないような気がする。一気に読んだからなぁ、読みながら考えるのはまだつらい。トリックには素直に感心した。解決編は先に述べたように、密室講義がだらだらと続いてテンポが悪かったが問題編が面白かったのでとんとんぐらいである。問題編は探偵の三兄弟の面白さ、さらには間抜けな探偵の部下をそのままあてはめたかのような木下と恭三の馬鹿なやりとりでさすがは我孫子武丸と思わせてくれる。かまいたちの夜でも、笑える場面は結構あった。どこまで我孫子武丸が書いているのか知らんが。
うん、ていうか他に書く事はないな。建物についてでも。八の字になるように家が作られているというが、縮尺がわからんので本当に可能なのかどうかわからん。ボウガンの飛距離もよくわからないし、想像していた家の広さと実際にここで展開されている家の広さが多分かなり違っていた。推理するのって本当に難しいと思うんだけどなあ。森博嗣とかはほとんどのミステリは普通に読んでいると犯人がわかるというし・・・。ミステリィをたくさん読むことによってパターンが読めるっていうのはあると思うんだよなあ。たとえばアパートで殺人事件が起きたならばまず部屋を間違えていたり、エレベーターに細工をされているのを疑えとか双子が出てきたら入れ替わりを疑えとか。それから犯人の傾向も数をこなすことによってわかってきそうだ。一番最初に犯人かもしれないとあげられる人間は間違いなく犯人じゃない! とかは基本だが。そもそも数をこなして傾向を知ればなんとかなる、自分はまだ数を読んでいないだけだというこの軟弱で卑屈な姿勢がすでにダメなのではないだろうか。対決していかなくては!