基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ベンジャミン・バトン──数奇な人生

 人生は複雑じゃない。
 求めるものさえわかっていれば。──ベンジャミン・バトン

もしくは

 人生はクローズアップで見れば悲劇 ロングショットで見れば喜劇
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.── チャーリー・チャップリン

 ヤマなしオチなし。だがそれが人生ってもんじゃない? 観終わった後不思議と心に残る。人生は素晴らしいというフレーズが何回か現れた、だけど別にこの映画を見ていて、人生が素晴らしいとは思わない。人生なんて、知らないけどね。素晴らしいと思わなかったのは、ここに表現されている幸せとか、感動がよくわからないから。感動ものかどうか、泣けるかどうかって言ったら微妙な線である。少なくとも自分は感動しなかった。ただ老いとか人生にほんの少し、思いを馳せる役には立った。生まれた時から80歳の肉体年齢で、徐々に若返っていくベンジャミン・バトンさんの生涯だったり障害だったり傷害だったりが語られる。個人的に期待していた、人とは別の時間を歩むことによる孤独が書かれているというよりは、周りの人の死と向き合っていく話だったのが残念といえば残念である。三時間以上あったという話だが、二時間ぐらいにしか感じなかった。物語の始まりが死が蔓延している老人ホームから始まり、終わりが孤児院みたいな子供が集まる場所というのも非常に興味深い上に、人生の奇妙な部分を味わうことになる。まあでもブラピになっちゃうのは悲しかったな。ちくしょう…!やっぱりイケメンかよ…! と。 永遠はあるのか? という問いが出てくる。定義をしっかりとしてくれ。もしくは質問を明確に。