- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: 文庫
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内容解説でも。十篇の短編が入っていると聞いていたので、最初の短編が100ページもあって驚いた。順当にいくなら、1000ページあってしかるべきはずだが300ページほどしかない。よってほとんどの短編はショートショートである。どれもこれも雰囲気が落ち着いていて、コーヒーでも飲みながら読むのに最高だった。一個とってもつまんないなあと思ったショートショートがあったけれど、不満なのはそれぐらい。だいたいショートショートなので、不満があってもすぐに消えてしまう。その点ショートショートはとっても便利だなあ。面白かったら大満足だしつまらなくても時間もほとんど無駄にならない。それからいつものように一篇だけ西之園萌絵が出てくる短編が挿入されている。正直キャラクターが喋ってるだけで楽しめるので特に感想はない。お気に入りはまず『ラジオの似合う夜』よしもとばななのキッチンを彷彿とさせる何かがどうしようもなく欠けているのに、それが何なのかがわからない不安感。『砂の街』砂が流れるように、ただ状況に翻弄される。気持ちが良い短編。『ライ麦畑で増幅して』凄い人たち。