基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

井上雄彦ぴあ

井上雄彦ぴあ (ぴあMOOK)

井上雄彦ぴあ (ぴあMOOK)

 最後の漫画展に関して書かれているムック本。尾田栄一郎との対談が載っていると聞いて、それだけでも読むために買わねばならないと思い入手。特にその中で、尾田栄一郎が書いた武蔵の絵があるのだがこれが素晴らしい。絵から愛が伝わってくるとでも言うのだろうか。足から表情、背景までどれをとってもうっひょうって感じ。手にもった刀でヒゲを剃っているところなのだが、そういえば新しい太陽の書でもセヴェリアンが自分の大剣でヒゲを剃っていた。確か剣でヒゲを剃れるならばヒゲソリを持ち歩かなくて済むうえに日常的に使うことによって剣が身体に馴染むみたいな説明で少しバカにしていたがこうして絵になってみると、これが様になるんだなー。対談の内容はやっぱり刺激に富んでいて非常に面白い。おもに創作、絵について語り合っていた。尾田栄一郎スラムダンクと同じぐらいの巻数で終わるのがベストで、それを目指して書いてきたがいつのまにかこんなに長くなってしまっていると書いていたのが印象的。結末だけは一番最初に考えた時からまったく変わっていないといい、それに対して井上雄彦はラストをまったく考えていないという。ただ最近、ぼんやりとだがラストを思い描くようになったとかなんとか。ワンピースは終わりに近付いておりどんどん話を進めている、今のところ話を進めたいがために無駄なコマが一切なくなってしまって困っているなどなど。どちらの創作に対する姿勢もよく表れていて、まさに対談というにふさわしい内容だったように思う。正直この対談を読むためだけでも買う価値があるといっていいかもしれない。