基本読書

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バカとテストと召喚獣4 と 5/井上堅二

バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫)

 ムヒョッス最高だぜ! 五巻のあとがきで作者も書いているように今までとは打って変わってラブコメ成分大増の回であった。ほぼ美波の回であったと言い切ってしまっても問題がないだろう。毎回冒頭の漫画が楽しみでしょうがないのだけれども、今回はまた別の意味で素晴らしい漫画であった。ラブコメもグッドですね。何がどうグッドなのかって言われても困るんだけど。うーん、大体ラブコメの面白さを人に伝えるのってどうしたらええのやら。別に心理描写が秀逸なわけじゃないし、それに限らず会話以外の描写なんて本当に必要最低限だけれどもその分会話は素晴らしいし展開と構成も素晴らしいし絵も素晴らしいしってそこから一歩踏み込めない。どう素晴らしいのか。考えてみれば心理描写と状況描写が少なめってアニメ化する側からしてみればかなり有利な状況なのではないだろうか。小説最大の特徴といえば心理描写を長々とできることに尽きると思うが、バカとテストに限って言えばオマケ程度といってもいいだろう。それはそれとして自分はいったいバカとテストのどんな部分を素晴らしいと感じているかだがこれがまたわからない。わからないってことはわからないってことなのでつまりここでおしまいである。ちゃんちゃん。どれだけ面白いか言葉で伝える事はできないが行動で示すならば、二日で五巻読んでしまうぐらいには面白いと書いておこう。

バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)

エントリーを分割するのも面倒くさいので一気に書いてしまうと、こちらも非常に素晴らしいのである。四巻はもうまるっきり美波の巻であったと言い切ってしまってもいいのであって、それはつまり一人一人ターゲットを決めて描写していく始まりかと思ったのだが、どうやら違うようである。今回は間違いなくダブルヒロインの一角、姫路さんの巻になると思ったのだがあては外れて主人公の姉の話である。こち亀の作者である秋本氏も、情熱大陸にて「マンネリ化してきたら新キャラを出す」ということを言っていたのでまあマンネリ打破と見ていいだろう新キャラ投入である。当然中身も新キャラクターを絡ませてくる感じで一冊仕立て上げた。ラストが意味ありげな感じで終わるが、このあたりさすがだなーというところか。単に会話のテンポが良いだけじゃなく、キャラクターの絡ませ方が異常な程自然で、さらに言えば各キャラクターで無駄な人間、一回苦し紛れに出して、もしくは適当に出してはいさよなら、ぽいっちょ、ということをしてこない。伏線も周到に張っていくし卓越した構成力の成せる技といっていい。気になる点といえば、文体といい特異とするパターンといい全てがバカとテストに特化している気がするのだが、別のシリーズは書けるのだろうか。バカとテストと同じようなものしか書けないのか、もしくは他の物も書けるのか。ドクロちゃんの作者のように段々マンネリ化していって、他の作品も前作と比べて面白くない…なんて言われることにならないかちょっと心配である。