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ワンダと巨像をハリウッド風にしたらどうなるか

原作といえば言わずと知れた名作で、非常に面白い。あらすじはこんな感じ

主人公の名はワンダ。愛馬の名前はアグロ。遺骸となった少女を蘇生させるために、人里離れた道なき道をゆき王座の間におもむく。中央に祭壇があり、そこに少女の遺骸を横にし蘇生術の言い伝えを思い出す。天から声が聞こえてきて、少女を助けたければ、この地に棲むすべての巨像たちと戦い倒せという。巨像の数は十六体、すべて倒した時に二人に何が起こるのか──!?

みたいな。まず重要な点として、ワンダと巨像はあまりにもハリウッドとは相性が悪い作品であることがあげられる。プレイした人間ならいわずもがな、プレイ中基本的に主人公がやることといえば、巨像のいるところに赴き、ぶったおして帰ってくるだけである。その間人間が一人も出てこないためセリフといえばアグロー! と愛馬を呼ぶ掛け声しかない。本作最大のポイントといえば素晴らしい世界観。景色が素晴らしいのはもちろん言うまでもないほか、巨像が出てくる時とたおした時のカタルシスはかつてないものだし、まったく語られることなく、映像で見せるだけのストーリーは長々と説明されない分この世界観を直接的に表しているようで素晴らしい。とにかくやる事はシンプルで、派手な部分がまったくない。とんでもなくデカい巨像もハデ、というよりは古代文明の跡を見るようなある種の切なさを感じさせる。とにかくこの作品の持つ世界観というのは本当に凄いものがあって、こればっかりはプレイしてみないとわからないのだが問題はここにある。に、二百パーセントこれを映像化するのはむ・・・り・・・だ・・・・。脚本家はロード・オブ・ザ・リングのような壮大なファンタジーにしたいと願っているらしい。その時点でとんでもなくおかしく世界観を維持してくれるかもしれないという希望はすでにはじけ飛んでいる。また監督はこうもいっているらしい。

“このゲームのとても良いところは、大人の視点で描かれていることです。つまり、ゲームのファンが喜ぶ部分は、より幅広いオーディエンスに喜ばれるということです。〜中略〜また、(オリジナルのゲームは)細部がとてもあいまいに表現されているので、すぐに付け足すことができます。”
『ワンダと巨像』ハリウッド映画化にゲームファンから非難の嵐。脚本家が弁明

ファッキュー! 細部がとてもあいまいに表現されているのがいいのに、すぐに付け足すことができますだと? ワンダと巨像ファンに暗殺されても知らないぞ。まあしかし、もう映像化されるのは決まっていることなのだからあたふたしても仕方がない。なのでドラゴンボールエボリューションのように笑い飛ばす方向で行く。ハリウッド化されたらきっとこんな作品になるだろうという妄想を、上記の発言を参考にして書き連ねていこうと思う。

重要なポイントとして、「ロードオブザリング」のような「壮大なファンタジー」にしようとしているところが真っ先に目につく。ロードオブザリングのような物語をワンダ一人でこなすのはどう考えても無理があるので、恐らく仲間が大量に出てくるのは確実だと思われる。多分魔法使いと弓使いと戦士はいるはず。それからハリウッドといったら音楽をじゃんじゃん鳴らすので当然静かな雰囲気なんてないだろう。そして巨像を十六体もたおしている余裕はないので三体ぐらいになってしまうだろう。当然ラブストーリーも挿入されないとハリウッドではないので、女の子も遺骸という設定はなくなって不治の病とかになるだろうね。さすがに世界観からいってアメリカとか、学生とかそういったキチガイじみた設定は使ってこないと思うがそちらも気にしなければならない。下手したらワンダは普通の高校に通う普通の男の子! ある時突然ワンダの住む町に巨像が襲いかかってきて・・・!? とかいう展開になってしまうかもしれない。だがファンタジーといっているからそれはないだろうという希望をもって話を進める。それからハリウッドといえばハッピーエンドしか認められないので、ワンダと巨像が見られたような最後苦しくなってくるようなラストは当然なくなるだろう。あとラスボスも当然必要なので出てくる。以上のことを踏まえてあらすじを書きなおすとこうなる。

主人公の名はワンダ。愛馬の名前はアグロ。恋人の少女モノは不治の病をかかえており、言い伝えで全ての願いがかなうと言われている王座の間へ旅をする。その旅の途中で同じく王座を目指しているキジ、猿、犬(適当)に出会い合流する。王座にたどり着くと天から神の声が降ってきて、巨像を三体倒したらお前達の願いをかなえてやるといわれる。言われるとおりに三体の巨像を倒したが、いっこうに願いがかなえられる気配がない。実は神だと思っていたのは邪神で、巨像達が神だったのだー! 怒り狂い神と戦うワンダ一向、私とキスしたかったらあいつを倒してー! とモノにいわれパワーアップし邪神を倒し何故かみんなの願いがかなって幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

真面目に考えたら思ったより普通のものになったぜ!