- 作者: 多田乃伸明
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- 作者: 多田乃伸明
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いつもヘッドフォンをつけ、人との関わりあいを避ける
孤独な少女・ヒカル。そんな彼女の体内に宿った
もう一つの生命・テンガイ。地球生物を滅亡から救うために、
ふたつの生命は心を通わせなければならない。
このSF設定+ヘッドフォン少女という容姿に惹かれほいほいと買ってしまう。ベントラー・ベントラーといい漫画の本格SF設定は希少なため買うためのハードルがやけに低くなってしまうSFファンの一人である。20億の針というSF作品が下敷きになっているそうなのだが、未読である。図書館にも存在していないし、アマゾンの評価が異様に低いしで読む可能性は今のところ無い。またSF系漫画に餓えはじめてきたので同時に藤子・F・不二雄SF短編集上下、Presentoforme石黒正数短編集などなどを入手。SF漫画成分を急速に補給している最中である。あとは以下略、ハチワンダイバーを買って今月の漫画購入予定は終了。
本書の内容をもう少し詳しく書くならば、突然宇宙からやってきた生命体が、ヘッドフォン少女と同化してしまい、同じくやってきた敵と戦う、まさに「ウルトラマン」だ。当然ウルトラマンを下敷きにしているΑΩも同時に連想したりして、むしろそういった作品の漫画化作品としても読める。表紙が星空や海を思わせる色合いもあいまって素晴らしいし、綿密に構成された空間は時間の流れを感じさせる。綿密な背景のおかげでまるで映画を見ているような感覚で読んでいた。またテーマは、「孤独」から連想される、人と人とのつながりの大切さといったところだろうか。一巻では突然宇宙生命体と同化し、ヘッドフォン少女の孤独な現状が書かれ、敵が人類の間に紛れ込んでいることを知り調査を始め、その過程で友人が出来、おっかなびっくり付き合っているうちにだんだん大切な存在となっていき──ついに敵との最終決戦! と流れにするとこんな感じである。2巻では、1巻で全く説明されなかったヘッドフォン少女が外界と自分とを切り離してしまった理由が話の軸となっており、ここでもやはり新しく出来た友人が活躍してヘッドフォン少女は友達の大切さを知るのでしたーというあれ。表紙が素晴らしいので今後も買い続ける予定。見ると癒される。少し付け足しておくと、ヘッドフォン少女につられて買う人は少し注意が必要である。なぜなら2巻にてヘッドフォンは外れてしまうから。そして自分はヘッドフォンが好きというよりも、ヘッドフォンをつけて外界と情報をシャットダウンするその中身の方が好きなんだなーと再認識。シンジ君がやっているとイライラするのだがな! それにしてもこの地球生物を滅亡から救うために、ふたつの生命は心を通わせなければならないっていう部分はたったひとつの冴えたやり方を思い出した。