基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

偽物語[下]/西尾維新

偽物語(下) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

あらすじ

 実の妹(しかも二人)のおっぱいを揉みまくり、さらには押し倒す兄貴が主人公。そんで、彼が戦ったりおっぱいを揉んだり小学生に抱きついたりする。

アニメ化について

 化物語七月からアニメ放映が始まります。ようやく声優のキャストも公開され、これから盛り上がっていく感じでしょうか。自分は声優を全く知らないので、そっちは全く盛り上がりようがないのです。キャラデザも、とりあえず動くところを見ていないのでなんともいえない。しかし静止画を見たところ、思わずなんでやねん! と突っ込みたくなった! なんだこれは! 主人公、片方の目が隠れててなんかアホ毛みたいなの立ってるし! 鬼太郎か!(本書でも突っ込んでいた)。つーかイケメンってどういうこと? あと、ヒロイン勢は普通だった。特に千石は良かった。だが忍野メメ! 誰だお前は! どっからどう見ても土御門じゃねーか! あ、それから髪の毛の色を変えたらテイルズオブヴェスペリアのおっさんじゃねーか! ていうか自分の脳内イメージだと、ペルソナ3の科学だか物理だか気象だかの先生だったんだけど…。 いや、もうこの際仕方ないのか…? アロハで金髪って時点で似てしまうのは…仕方ない…。始まったら一応観てみよう。どうやって表現するのか気になるし。

感想でもいかがですか

 正直いって前回からネタ切れ感はばんばん伝わってきていたのだが、今回でついに尽きた…と少なくとも自分は感じた。肝であった八九寺との掛け合いはもはや往年の切れ味はなく、アニメ化をネタにしたり、奇策に走っている印象があった。奇策っていうのは成功法があって初めて生きるものであって、奇策だけだと物足りない。また、全体的に、セリフの掛け合いネタは少なめであった。それをフォローするように言葉遊びネタがふんだんにちりばめられているが、森博嗣の水柿君シリーズを読んだあとだと、そちらも少しかすんで見える。反面、今までおまけ程度にしかとらえていなかったストーリーが今回は意外と面白かった。正義論とか、偽物と本物とかFate/stay nightを縮小した感じだったけど。文句ばっかりつけているようで、面白くなかったのか? というと、当然そんなことはない。本作も他の物語シリーズに勝るとも劣らない出来だった。いったいどこがそんなに良かったのか?

全世界の妹萌え属性必見──あなたは全世界へ性癖を発表できるか

 キャラクターである。巻を増すごとにキャラクターもどんどん定着してきて、もはや出てきただけで笑える。お約束を完全に我がものとしてしまった感じ。いわばドラえもんであり、田中ロミオ風にいうならば金太郎飴的にいくらでもストーリーが作れる領域に達している。サザエさんちびまる子ちゃんでもいい。セリフの応酬による突き抜けた面白さは無くなってしまったかもしれないが、御馴染みのキャラクターが固定化された分、安定感がある。さらに書けば、今回焦点が当たっているファイヤーシスターズの二人が・・・! これはもう表紙からしてぶちぬけて素晴らしいのだが、はてさて中身も全く素晴らしいの一言。あららぎ君ときたら実の妹の胸を揉むわ、抱きつくわ、西尾維新の性癖丸出し! もうこれ、なんか、ちょっと、知りあいの恥ずかしい性癖を知ってしまった時のような、あのなんともいえない、なんとコメントしていいのか、コメントは控えさせていただきます…とかいう厳粛とした空気になってしまう感じ! 

 え? だって友人が、小説を書いてて、200パーセント趣味丸出しで書いているって公言していて、しかもその内容が兄貴が妹を押し倒しておっぱい揉んだり、道端で小学生に後ろから抱きついたり、金髪ロリ少女を常に下僕に従えているようなものだったら、ひくでしょう! 普通ひきますよ! 次あった時にどんな顔していいかわからないでしょう? まずそこを褒めたい。言うならばこれは全世界へ向けて俺はロリコンだー! しかも妹萌えだー! と宣言しているのにひとしい! しかも200パーセントですよ! なんという勇者だ西尾維新! あとはいつものように半分以上ギャグパートで、後半あららぎくんが熱血していつものようにバトって終わった。この辺とってもすっきりしていて良かった。キャラの魅力で言うならば、これ、完全に今までの化物語シリーズの中でも群を抜いていると思う(ただし千石を除く)。反面、八九寺とのやりとりはそんなでもないし、神原もほとんど出てこない、ひたぎはもう全然出てこないし、羽川も声だけ、と過去ヒロインはおざなり。まあそっちまで詳しくやっていたら当然長さは二倍ぐらいになってしまう。