基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

小説の書き方 小説道場・実践編

 世の中には小説の指南書みたいな本は溢れかえっており、その中であえて『小説の書き方』とド真中のタイトルをつけてくるあたりに著者である森村誠一氏の真面目さ、のようなものがあらわれております。内容は他の指南書に比べて突出したことを言っているわけではないのですが、長い間小説家として書き続けているその経験に裏打ちされた内容なので信頼感があります。目次を読めば大体わかるのではないかと。

 第一章 アイディアと構成
 第二章 書き始めと結末
 第三章 プロットの立て方
 第四章 文章論─言葉の六大機能
 第五章 文体論
 第六章 実作のサンプル

 数ある小説の書き方本の中で本書の特徴を挙げるとするならば引用の多さでしょうか。たとえば登場人物の紹介をする項目では、幅広く色々なジャンルの本から十作品、引用してどこが凄いのかを解説しています。書き始めの章でも17作品にわたって解説が行われていたり、小説を書いている方ならば、ふとここはどうすればいいんだろうと悩むことなどがあるでしょうけれど、本書を読めば参考にすべき点がピックアップされているので非常に便利…であるのではないか、と思います。