基本読書

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百舌谷さん逆上する(3) (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する(3) (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する

 伊藤計劃氏に関する思い出話のオマケ漫画が載っています。たった2ページだけですけどね。それに関連して、というわけでもないでしょうが、生き死にに関する話題が多い。いや、やっぱり関係しているかもしれないですね。関係しているでしょう。どれだけ大切な間柄だったのかは、日記の文章を読んでも、こうしてオマケ漫画を読んでもよくわかります。話のテーマとしても、変えることのできない物事に対する態度が扱われている。

 「神よ。願わくば私に変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ」『スローターハウス5カート・ヴォネガット・ジュニア

 ↑のようなセリフが引用されていたりもしました。死なんてものは、変えることのできない物事のさいたるものでしょう。どれだけあがいても人は最後には死んでしまうわけですから。そうは言っても誰だっていつか死ぬんだから、友達になる必要なんてない、などと斬って捨てて、冷徹な人間になる必要もないわけで。このあたりの心理描写が篠房六郎はもう抜群にうまい。たとえば何気なく口にした言葉が、自分の心理を分析してみたら薄汚いエゴイスティックで利己的な自分から出たものであることに気がついて愕然とすることがあります。もっとかまってほしいだとか、本当は寂しいのだ、みたいなあまり大声に直接的には言えないことが、自分でも気がつかないうちに間接的に伝えようとしていることがよくある。そういう自分を自己分析するのはなかなかつらいことですが、百舌谷さん逆上するでは徹底的にそれをやっている。実を言うと他の作品を読んだ事はないのですが、恐らく作風なのでしょう。うーんしかし、親のひたむきな、愛が子供に届く、というのは卑怯ですな。泣いてしまう。

デッドマンワンダーランド5

 相変わらず展開が早い。その展開の速さを支えているのは圧倒的なまでの演出力でしょう。ほんのちょっとでてくる超脇役、せっかく出てきたのに2ページ見開きでスパっとやられてしまうヤツらなのに、妙に記憶に残ります。一瞬でキャラクターを把握させるインパクトのあるセリフ回しは逆転裁判シリーズを思い出させます。あのゲームも、身振りと印象に残るセリフ回しが肝ですが、センスなのですかねえこういうのは。まあでも正直主人公の必殺技がガンタガンとかいう超絶センスねえネーミングセンスなのはどうかと思うのですが…。あとキャンディを飲ませ忘れちゃうクロウさんとかも相当アホやと思うんですよ。つーか、想像以上にグロいですよ。首とかバンバン飛ぶし、人はバンバン死ぬし、どてっ腹にどでかい穴はあくし、しかも復活しないし、四肢が乱れ飛ぶし。エルフェンリートのグロさとはまた別なんですよねえ。なんにしろ面白いです。意外と十巻ぐらいで終わりそうな気がしてきた。