基本読書

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投資の行動心理学

投資の行動心理学

投資の行動心理学

 何故負けてしまうのか──投資の悩みを、心理面で克服する方法を提示しているのが本書『投資の行動心理学』です。投資のことをあまり知らなくても、純粋に心理学の本として読むこともできるでしょう。競争相手の心理を読む本、というよりかは自分の精神を分析し、『何故駄目だったのか?』を明確にすることがなによりも大事だと言っています。そして、それが本書の全てでもあります。

第1部 自己発見への道(私のトレーダーとしての第一歩
数多くのマーケット―数多くの類似性)
第2部 行動心理学への誘い(「なぜ」対「いかに」
フロイト理論―子供時代の経験は行動に影響を及ぼすか ほか)
第3部 あなたの投資家指数は?(チェックリスト―投資家指数の測定
トレード改善法(ロスカット
早過ぎる利益確定) ほか)
第4部 心理学のマーケットへの適用(永遠に弱気な人と罰せられたい人
一〇のトレード規則 ほか)
第5部 明日への挑戦(恐怖に打ち勝つこと―心理学が成功への早道であるわけ
なぜ多くのトレーダーが損失を被るのか ほか)

 何度も繰り返される言葉があります。『投資は、システムや方法、プログラム、コンピュータ、アドバイスなどよりも自分自身の行動、心理に余程強く依存しているのだ』たとえば投資で損をした時に、酒を飲んで紛らわそうとする人がいます。パブロフの犬という実験があります。犬に御飯を上げる時に鐘を鳴らすようにしていたら、鐘を鳴らしただけでよだれが出るようになったっていうあれです。投資で負けた時に酒を飲むのは身体の習慣づけとしては、ご褒美に相当してしまうわけです。何故負けた時に、わざわざご褒美を与えなくてはならないのでしょうか? それは無意識に負けへと向かう第一歩です。酒を飲むのに限らず、慰めてもらうとか、人に助けてもらうとか、ダメダメ! 負けた時は、何が問題だったのかを特定し、初めから終わりまで状況を振り返り、『いかに』間違いを正すか考える。そして、勝ったらご褒美として酒を飲みましょう。まあ本書で言っているのはそれだけです。問題が発生した時に、それを正確に問題か、それともただの偶然か判定し、問題だった場合は速やかに対処を施す、恐怖と戦う、それだけです。負けを認めたく無かったり、まだもっと伸びるはず、とおごったり、ナンセンス! とただ叫んでいるだけではなく、どうやったらその状態を抜け出せるか? について懇切丁寧に説明しています。非常に素晴らしい、投資に限らず、前向きでいること、辛抱強さ、鍛錬、などなど生活の心理学的知恵も満載! なんてところでおしまい。