基本読書

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人生テスト―人を動かす4つの力

人生テスト―人を動かす4つの力

人生テスト―人を動かす4つの力

 岡田斗司夫『人生テスト―人を動かす4つの力』(ダイヤモンド社 1500円)はアンチ成功本をうたったタダの成功本である。

 書店に多数並んでいる自己啓発本なんてのは、成功者が高みから語り倒す、オッサンの根性論そのものです。

 こう語る著者に期待して、いったいどんなものを見せてくれるのかと思いきや…。成功者が高みから語り倒すオッサンの根性論そのものじゃないですか。本当にどうなってるんだ。人生テストの名の通り、人間を軍人タイプ、学者タイプ、職人タイプ、王様タイプに分類してそれぞれの生き方、相性、どうやったら喜び悲しむか…などを分析しています。ただその内容といえばその辺の性格診断テストとほとんど変わりません。ちょっと考えればわかることですが、人間の性格は4つに分類できるものではありません。大まかな分類としては出来ますが、それを鵜呑みにして●●タイプにはこう! と態度を決定してしまうのは致命傷になりかねない。僕もこの4タイプの中だと王様タイプが近いですが、他のタイプにもあるあるwwwと思う事が多々あります。

そんなわけで、4タイプに分類して解析する部分は大抵的を射ていなくてつまらないのですが、タイプとは別の話になると面白い。そんなところほとんどないのですけど、一例をあげるとどんな人たちがカリスマと呼ばれるのか、とかです。

 王様軍人職人学者、すべてのタイプのいい面を併せ持つ人間がカリスマと呼ばれます。たとえば北野武。人気コメディアン「ビートたけし」として王様タイプが普段の彼です。しかし彼の本質は無口で内気な職人タイプで、この本質は映画監督という側面を露出することで明らかになりました。その他にテレビで知的生産に従事しているような人たちと対談し、学者的側面も露わになり、最後にベネチア映画祭で賞をとったことで軍人的魅力も獲得しました。4つのタイプすべてを獲得することでカリスマとなるんですね。

 次に宮崎駿、彼の本質はアニメにこだわる職人タイプですが、『風の谷のナウシカ』によるエコロジーを語る学者的側面です。そして『となりのトトロ』のヒットにより子供に大人気という王様的魅力につながり、度重なるヒットにより軍人的成功も獲得しました。これで4つ、カリスマの誕生です。

 以上を読んでもらえればわかると思うのですが、結構こじつけです。そして、全部こんな感じです。あまりオススメしません。