基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

宇宙へ。を見た

 宇宙へ進出していく人間を撮ったドキュメンタリー映画です。特別割引中とかで500円で見れました。明日までやってるのかな?(調べたら違いました)まあ1500円の価値は当然、あります。ぼくはあまり後悔したことがない方なのですが、後悔したこともいくつかあって、それは何でもっと未来に生まれてこれなかったのかということと、何で月に人間が着陸した時に、それをテレビの前で見れなかったのかということです。しかしこのドキュメンタリーを見てたら、後悔もだいぶ薄らいだかな。そもそもどうにもならないことですしね。生まれてくる時代は選べない。

 映像が凄かったです。何より、地球の映像が凄かった。宇宙飛行士は、宇宙から地球を見た時に誰もが人生観が一変するといいます。それぐらい、地球を外から見るという経験は大きい。その実例としてか、宇宙飛行士の多くは、宇宙から地球を見た後に環境問題に取り組むようになっています。言うならば人類は、家に住みながらその家を外から見たことがほとんど無いわけです。家から出た時に初めて人類は、家にどれだけ守られていたのか知るのかもしれません。宇宙へ出ていくという事は、重力から、空気から、生命活動に必要なものすべての庇護から離れると言う事です。これらがどれだけ大切でかけがえのないものなのかは、実際に失ってからでないとわからないのかも。これから先、宇宙に行ける人間は増えるでしょう。まず最初に金持ちが行くとして、その人たち全員の人生観が変わって、環境問題に金をつぎ込むようになったら地球は変わるかもしれません。

 ぼくは映像越しに見ていたわけですけど、地球の映像はそれでも滅茶苦茶感動しました。というか泣ける。なんかもう、凄い! とかいうんじゃなくて、でけええええええ丸いうわああああ!!! って感じなんですよ。とにかくでかい、人間一人と対比するともうナンダコレ意味わからんと思うぐらいでかい。地球のでかさからしたら、人間の建造物なんてゴミみたいなもんですよ。万里の長城? アホなの? てぐらい。映像でさえこんなに興奮するのに、実際に宇宙に出て地球と向かいあったらいったいどうなってしまうんだろう。いつか、少なくとも生きている間には、月への民間人の旅行が多少は現実的になっていますように・・・。ほんと、お願いしますよ。

 あとね、やっぱり宇宙をテーマにしたものは面白いですよ。月への打ち上げ合戦もアメリカとソ連の威信をかけた戦いというドロドロした側面はありますけれど、見ている方にはまるで関係がない。月へ行くって何ですかそりゃ。どんだけ難易度高いんですか。しかもその難易度の高いミッションをクリアしても、得るものは何もない(実際にはあるけど)。そこにロマンはある。宇宙にはしがらみがありません。地上ではやれ戦争だ国境だといさかいがあるけれど、宇宙からみたら国境なんてない。人間のドロドロしたものと、今のところ無縁な空間です。人間は発見をするために生まれてきて、発見をすることに喜びを見いだすものであるとハンナ・アレントは『人間の条件』で言いました。まったくそのとおりダと思います。その証拠に、この映画に出てくる宇宙狂たちはまるで新しいおもちゃを与えられた子供のように目をキラキラさせている。そして、当時アポロが月に着陸するのをテレビを前にしてわくわくとさせていた世界中の人たちも(そう、恐らくその一瞬は、国を超えた人々が興奮していたことでしょう)子供のような眼をしていたに違いないんです。それが宇宙の凄いところではないかと、映画を見ていて思いました。