基本読書

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人生における成功者の定義と条件

人生における成功者の定義と条件

人生における成功者の定義と条件

id:daen0_0さんの読者アンケートが収録されているというので読んでみました。早速発見全文引用して晒しあげてしまおうかと思ったのですが、一応やめておきます(えらい)。許可が出たので引用させてもらいます。

 どんな人間でも必ず死にます。考えることも、何かを感じることも、全てできなくなる。生きてるというのが永遠じゃない。時々、その事実が死にそうになるほど怖くなったりします。でも、そんな死を受け入れられるような、楽しい時間を生きる、それが人生における成功だと思います。

 それで、一応全部読んでみたのですが、これと同じような趣向の『カンブリア宮殿』よりかはだいぶ面白かったです。あっちは22人の経済人にインタビューということで、社長ばかりに偏っているのですがこちらはたったの5人、それも経済人に特定せず、分野がバラけているのでその分バリエーション豊かで面白かったです。建築家、科学者、社長、教授、スポーツ選手の5人です。これに加えて100人? ぐらいの読者が考えた『私が考える成功者の条件』が載っています。ある人は年収一千万と答え、ある人は人生を楽しく生きることと答えるなどバラけていて、やはり良い。

 成功の形は一つなんでしょうか。マズロー欲求段階説でいえば、人間が求めるものとして、最初に生理的欲求(衣食住)次に安全の欲求、親和の欲求(集団帰属)、自我の欲求(認知されたいという欲求)が来て最後に自己実現、つまりは創造的欲求。創造的欲求が満たされると、人はまず幸福な状況であるといっていいでしょう。で、日本人として生まれてきた時点でもう上位三つは満たされているようなものです。生活保護なども厚い、医療も格安で受けられます。そうなると人は創造行為や、認知されたいなーと思いはじめるわけです。そんで、それが満たされないと先進国日本に住んでいても幸福じゃないと感じるようになる。そんなわけで、マズロー欲求段階説にのっとっていうならば創造的欲求が満たされた人間こそが成功者だといえるのかもしれません。

 それは日本だけでの話であって、他の飯を食うのも大変な地域の人たちは、飯を安定して食える身分というだけで成功者に認定されるでしょう。現に少し前の日本であれば、そんな状況だったはずです。しかし少なくとも日本でいえば、もう『個人が個人の好きな過程で幸せを追求する時代になっている』と思います。それは多くの人が幸せ、成功と考える概念がもはや多様にあることもそうですし、過去には一つだった成功へ向けてのレール(いい学校へいって、いい会社へ入る)が崩壊してしまったこともあります。今までは新聞やテレビで一方的に情報を受けるだけだったのでみんな一つの目標に向かっていたと思うのですが、ネットが猛威をふるっている現在はこの世界が多種多様な価値観で溢れていることを、多くの人が知ってしまいました。各人成功へのレールが違うのは、そのせいもあるんではないかと。

 村上龍が最初に成功者を「生活費と充実感を保証する仕事を持ち、かつ信頼できる小さな共同体を持っている人」という仮説を立てて定義しました。読んでぼくが考えたのも大体同じようなもので、基本的欲求を満たしながら、自分の好きなやり方(趣味とか)で創造的欲求が満たされている人が今の日本では成功者じゃないかなと思います。成功といっても社会的成功と個人的成功があるので一概にはいえないか。なんかあんまり考えて書いたことじゃないので、もうちょっと考えたら追記します。