- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11
- メディア: 新書
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そもそも「自分の頭で考えること」の利点はなんだろうか。何故必死に努力してまで自分の頭で考えなくてはならないのか。最初の動機は単純に「考えていない自分」が嫌になり「考える自分」になりたいと思ったことだ。これを最も簡単に言ってしまえば「私を認識してください」ということになるのかもしれない。他人の言葉を言って、他人の言われた通りに行動して、主体性の無い生き方は「自分が生きている」とは到底言えないだろう。自分で考えて、自分の考えを発言して、他者に伝えることによって初めて自分が生まれ、他者に認識してもらえる。それが自分の頭で考えることの意味ではないか。
書くことは考えることだ。だから、書くために必要なことを、自分の頭で考える方法がわかれば、文章力は格段に進歩する、と山田ズーニーは言う。だからこの本はただの文章読本ではなくて、自分で考える方法を教えてくれる一冊でもある。二つは一つのことだからだ。本書からは山田ズーニーの本気が伝わってくる。愛と言えるかもしれない。理解できない相手へ、どれだけ理解しようと努力できるかが愛だと思っているが、山田ズーニーは一見どうしようもないほどの落ちこぼれに対しても「あなたには書く力がある」とだけ、たったひと言、伝えてくるだろう。それが愛だ!