- 作者: 大泉実成
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/12
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人の不幸話って、なんか、つらいんですよね。テレビのワイドショーとか、昼ドラとかも見れないですもん。陰惨すぎて。この本で言えば、マンガが書けなくなって毎日ウイスキーの瓶を一本全部飲み干しながら過ごしていたちばあきおとか、陰惨なイジメを受けてきてマンガ家になってからも人間関係に悩んで書けなくてでも読者に答えなきゃと必死になって書いて死んでいった山田花子の話とかね。どちらも根がまじめな人として書かれているだけに始末がおえねえ。読むのが耐えきれないほどつらいのは、多分僕の中にもそういう部分があるからなんでしょう。一つボタンをかけちがえたら、これは自分だったかもしれない、そういう恐怖感が常にある。全然他人事に思えない。袋小路に追い詰められていくような切迫感が、こういうノンフィクションの方が、現実であるが故にフィクションより迫ってくる。
ただまあ目をそむけててもどうなるってもんでもねーですし。これがまあどっか遠くの国の人達ってんならともかく、今僕が読んでいる漫画雑誌の中にも同じように消えていくマンガ家が居ると思うと、やりきれねーなって感じがします。博愛の精神とか利他的行為とかいうんじゃなくて、単純にマンガを読むときに「あー作者の精神状態がヤバい」とかそんな無粋な心配したくないんですよ。作者からしたら余計なお世話だ、てなもんでしょうが、思ってしまうのはしょうがない。「この作者この連載が終わって生きていけるんだろうか」とかね。そう言う意味じゃ、こんな本読まなければよかったとも思います。胃が痛くなるし、これから漫画読むときにさらに心配するようになってしまうかもしれないし、ただまあ目をそむけたくなってしまうからあえて見ないといけないのかもしれんですね。ほら、マンガでよくあるじゃないですか、「知らないでのうのうと過ごすよりも、知って後悔した方がいい!!」みたいな。まあそんな感じ。いや、そんな大それた話じゃない!!