なぜ14歳からなのか。12歳でも、16歳でもないのはなぜなのか。それは多分、14歳という年齢が、ちょうど社会との接点がはかれずに迷ってしまう年頃だからでしょう。いわゆる一つの転換点というやつです。小学校という狭く長かったコミュニティを抜けて、一つの広い社会に放り出されて、どちらにいったらわからなくて、右往左往している。少なくともぼくはそんな状態で14歳の頃を過ごしておりました。そもそもなぜ右往左往していたのかといえば、ひと言で言ってしまえば「他者の承認が得たかった」のです。ただひたすら人から認められたい、しかしどうやったら認められるのかが分からない。社会がなんなのかわからない。友だちもいつのまにか何を考えているのかわからない存在になってしまった。彼女もどうやって作っていいのかわからないし、とにかく世の中、わからないことだらけ。
社会学というのは、別のこの全然どう生きたらいいかわからない世界をどう生きたらいいのか教えてくれるものじゃない。本書が教えてくれるのは世界ってのは、社会ってのは「どう生きたらいい」という唯一絶対の指針はないっつーことです。そんな単純なことを、学校では教えてくれない。だったらぼくらはそれを自分で学ばなきゃいけないでしょう。「教えてくれなかったからだめだった」なんて、アホの極みです。自分から学びに行き、自分で考える力を養う。その力が必要とされてくるのが、14歳なのではないでしょうか。14歳の頃に、この本を読みたかったな。理解できないだろうけど、しかしいつかは理解できる時が来ますし。