基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

音楽や絵を小説にした作品が読みたいなぁ

 言いたいことはタイトルで全部なのですけれども、読みたいなあ。いや、そういったものが存在することは知っているのです。昔音楽を元ネタにして小説を書いて送ってください、という賞があったのを記憶しています。こんなことを考えるのは、音楽や絵について感じたことを文章にするのは非常に難しいからなのです。たとえばぼくはブログに本の感想を書いていますけれど、音楽の感想なんてほとんど書くことはない。いや、書けないんです。本の感想を書くのは、結構簡単です。文字で入力されたものを、文字で出力すればいいだけだから。しかし音楽や絵の場合、感じたことを一度自分の中で咀嚼し、分解し、また文章という形で再構成しなければならない。しかも音楽や絵を聞いてみたときの、感覚を共有しようと思ったら、それが文章でどう表現していいのか。余談ですけれど、ぼくがとても好きな文章を書く方がいまして。この方のように音楽について語れたら、と思ってやまないのです。three million cheers.←その方のブログです。

 しかしぼくには書けない。いや書けるかもしれない。しかし小説ならば、というか物語ならば、言葉にしづらい感覚を言葉を尽くして語れるのではないかと思ったりもするのです。普通に感想を書くのとはまた別のベクトルで、という話です。出来ないまでもやってみたら面白いのではないかと思う。音楽を聞いて、いったいどんな感覚が巻き起こったのか…。なぜこんなに小説にこだわるのかといえば、「アイの物語」の時にも書きましたけれど、ぼくは小説とは、『言葉に出来ないことをなんとかして虚構、言葉を駆使して表現しようとするもの』だと思っているからです。「物語なら…物語ならなんとかしてくれる…!」というドラゴンボールの雑魚的キャラクターの心情で音楽や絵を上手に語れない自分は必死に助けを求めている。と言うほどでもなくただ単に「音楽や絵を小説にした作品」とはどんなもんだろう? と思っただけですが。

 多くの小説には元ネタがある場合があります。●●版●●のつもりで書いた、とか●●を意識して書いた、ということは当然ありうるわけで、書こうとしているジャンルに先人がいる場合、あるいは強く影響を受けた後にそれに似た作品を自分の中で決着をつけておきたいとして書かれる場合、色々あるかと思いますけれども、ほとんど全部「小説」あるいは「映画」が元ネタとなっているのではないかなあと。最初に本の感想を書くのは簡単だ、と書きましたけれども、きっとそれは小説を書くのでも同じなのじゃあないか。むしろ音楽や絵、文字で表現されていないものを、文章に再構築するという「ねじれ」みたいなものが、作品に面白さを与えてくれるのではないか。円城塔はプロットとしてなんだかよくわかんない図を担当に提出して悲しそうな顔をさせてしまった、と言っていましたけれども、それも「ねじれ」ですよね。そんな感じです。でも世の中にはたぶんいっぱいそういう小説はすでにあると思うので今から探しに行ってきます。