基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

基本読書日記

 今日は特に書くことが無いから適当に最近読んだ物の感想を羅列する。なんだか色々読んだなぁ。今は鹿野司さんの「サはサイエンスのサ」を読んでおったりする。イーガンの『万物理論』では科学ジャーナリストの役目について、「アーサーCクラークは充分に発達したテクノロジーは科学と見分けがつかないといったが、科学ジャーナリストは人間が人間のテクノロジーを見たときにクラークの法則が当てはまらないようにしつづけることだ」といったがまさにその役目を担っているのが「サはサイエンスのサ」だなぁと読んでいて思う。まあこれは読み終わったらちゃんと感想を書こう。

 生徒会の一存シリーズが凄い面白くて読んでいたらげらげら笑った。まだ二巻までしか読んでないけど。男の子が、美女揃いの生徒会に入ってハーレムを作ろうと頑張る話なんだけど、物語の設定にありがちな「なぜか主人公のまわりには美少女がいっぱいいる」点をちゃんと設定で解決しているし、「なぜかハーレムを作り出してしまうエロゲ主人公」にもちゃんと設定で解決していて、非常におバカなのだけど常に論理的な作品。昔からあるエロゲーギャルゲーライトノベルのありがちでお約束扱いされている設定を、一つ一つ理屈付けしていくのが楽しい。

電波女と青春男 (電撃文庫)

電波女と青春男 (電撃文庫)

 初入間人間。なんだか展開の進みが遅くて、あまりにも興味がそそられなくなった為に最終奥儀「オチから読む」を使ってしまった。これを使うとオチがわかってあ〜〜なるほど〜〜と非常に面白いのだがその過程を読む気が亡くなる諸刃の剣である。どうも田中ロミオの「AURA」と同じような話であったような気がする。恐らく電波女ちゃんを正気に戻すのがその筋で、男の子は色々と頑張っていた。気がする、というのはちゃんと読んでいないから。ぼくの言う事を信用してもらっちゃあ困る。一巻はそういうわけでもう読む気がしないが、二巻からは展開が変わるようなのでちゃんと読む。

失踪日記

失踪日記

 この作品が出たのはもう五年も前なのだけれど、BOOKOFFで100円だったので買ったら大当たり。定価は1140円なのだけれども、それでも買って損したとは思わないだろう。漫画家の吾妻ひでおが、仕事に耐えきれなくなって失踪しホームレスになり、つかまって家に戻りしばらくした後また失踪しホームレスになり、配管工になったがまたつかまって、今度は酒を飲み過ぎてアル中になり精神病棟に入れられる話。あまりにも悲惨すぎるが、驚くべきなのはこれが笑えることだ。笑いとは客観視することであるというが、これ程悲惨な体験を笑いに変換できる吾妻ひでおに、読めば戦慄する。読み終わってちょっと鬱々とした気分になったもん。そういえば、吾妻ひでおが初めて失踪したのは手塚治虫が死んでしまった年なのだなと思ってしんみりした。もちろん直接の原因ではないのだけれども、この本の中にも手塚治虫の話があったりして、ショックは受けたのだろうなあ。そりゃあ、そうだろうなあ。

ヒビキのマホウ (1) (角川コミックス・エース (KCA87-5))

ヒビキのマホウ (1) (角川コミックス・エース (KCA87-5))

 麻枝准原作。氏のブログにて初めてその存在を知る。なんだかとてつもない行き当たりばったり感があるものの、面白い、ような気がしなくもない。魔法のある世界とは、言葉にするのは簡単だがちゃんと作り上げるのは結構難しいのだ、と読んでいると思う。そしてキャラクターがみんな幼く見える。お前らは全員7歳児か! というぐらい幼い。もしくは、かわいいものばっかりで溢れた世界になっている。拳銃が突然出てきたり、悪い人が出てきたりすると、そぐわないなーと感じる。絵担当の依澄れいさんという方は病気で入院しているそう。養生してこの続きを書けるまでに復活できるよう祈っています。(ここで言ってもしょうがない)

烏有此譚

烏有此譚

 辞めどきを失ったゲームみたいに、読むのがやめられない。壊れた蛇口みたいに文章が垂れ流されている、ように書かれている。そして注の出来が凄い。何だこの言語センス、圧倒的じゃないか。

 かくて長く続いた注も終わる。
 得体のしれない生殖の一つが終わり、圧縮され折り畳まれていた種は芽吹き、灰により捕われ、育つ。敗れた天より雨が零れる。それは目を開き、手を伸ばす。水はもうそこまで迫り、それは自身を切り倒し、新たに船を造り始める。目的地は明白だ。まだ続くかも知れない。生命へ向け。
 だから最後の一文は多分こうなる。
 さあ、はじめよう。音楽だ。