ついったーで佐倉レキ (sakurareki) on Twitterさんに「ミスマルカ興国物語っていうライトノベルが三国志っぽいですよ」と教えてもらいました。そんなことを言われてしまったら、読むでしょう。感想を言うと、凄く面白かったです。面白かった中でも、三国志的な要素を三点あげれば、中国的なデカイ大陸の戦争物というのがまず一点。主人公がぐーたらでバカに見えるけれど、国民には非常に愛されているというのが二点目。で、ちょーでっかい帝国と共和国の間に挟まれているのでそこをはったりと少数精鋭で切り抜けていくところが三点目。まさに劉備軍といったところです。でかい風呂敷に、非暴力で戦争を終わらせるという重いテーマ。それでいてライトノベルっぽさをまったく失わない軽快なキャラクター同士のかけあいは、さすがだなあと思いました。以下収納
風呂敷デケェー!!
ライトノベル版三国志、というだけでも充分に世界観は広いんですが、この『ミスマルカ興国物語』それだけでは終わりません。帝国と共和国、それからミスマルカがある大陸は、地図上では完全に中国なのですが(なぜならそのすぐ隣に日本があるから)その西側には、なんと魔王が存在するという未踏の地があるのです。さらには魔王を討伐する為に存在する勇者もいたりして、人類は人間同士の戦いと同時に、魔物との戦いもこなさなければいけません。
この設定、アリスソフトの代表作である、『ランスシリーズ』を思い出させますよねえ。ランスシリーズもパソコンゲームで原罪7作目、10作で完結予定という壮大な世界観です。幾つもの国が存在し、西には魔人たちの住む地域があり、ランスは最終的には全人類を率いて魔人たちとの最終決戦を行うといいます。全人類ですよ! 全人類! 想像はできませんが、なんか字面だけで燃えますよねー、全人類って! もちろんミスマルカ興国物語が、ランスシリーズのように人類をまとまげ、その後全人類を率いて魔王と戦いに行くのかどうかはわかりません。しかし、それぐらいの規模のお話にもなることができる凄まじい風呂敷の広げ方です。
テーマも重たい
テーマも世界観と比例するようにして重たいものがある。主人公は徹底した暴力、武力嫌いで、決して相手を傷つけないし、味方を傷つけることもない。説得、話し合いによって戦争を丸く収めようとします。それが茨の道なのは言うまでもなく、相手は襲いかかって簡単にひねりつぶせる状況で「話し合いましょう!」なんて言ったって無駄なわけですよ。その上で非暴力を貫こうとするのならば、自分や、もしくはその周りの人間が傷つくことさえも覚悟しなければいけない。
その覚悟がちゃんと主人公にあったのが素晴らしかったかと思います。覚悟のせいか、やたらと自分の命を捨ててまで戦争を終結させようという(Fateのシロウ的な)無鉄砲さもありますが、どんな場合でも自分の命をかえりみず突っ込んでいく自分が存在しないシロウとは違い、自分の命の価値を知って、戦略的なカードとして有効活用していくところなど、燃えました。というわけでこの物語の行く末はいまのところ、『言葉を通じて分かり合いながら、中原を統一させる』であると思います。そしてその先には、魔王を討伐(もしくは説得?)するのかな? そうなったら、えらく面白いですよなー。
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