基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2010年21・22合併号のジャンプ感想

ONE PIECE

 今週もカラー絵か……。尾田先生の仕事量はほんとハンパないな。何人いるんだよ、っていう話。尾田栄一郎と尾田栄二郎と尾田栄三郎の三人で描いているんじゃないの。一郎が漫画担当で二郎がカラー画担当で三郎はメディア関連や雑誌関連の広報の仕事を請け負うのだ。うん、そうでないとちょっと在り得ないよな。

 今週のワンピースで本当に尾田先生凄いな、と思ったのは、カラー絵のことよりもルフィの葛藤みたいなものをちゃんと描いているところなんですよね。純粋な冒険心に満ち溢れていて、正義感やらなんやらの体現者、その反面子供だった、というのがルフィだったかと思うんですが、そんな純粋な存在が初めて対面する「最も近い人間の死」それも「目の前で、あとちょっとで助けられそうだった」最中での死というスッゲェ重たい話を、そのままスッゲェ重たく描けるっていうのがね、素晴らしいと思った。暴れ回って島中破壊して回るのもそうだし、なんか凄い勢いで泣いているのもそうだし。

BLEACH

 崩玉の能力である「自らの周囲に在るものの心を取り込み具現化する能力だ」これってオートマチックなんですかね? つまり指向性を持って、これは具現化してこれは具現化しなーいとか、持ち主が決められるんだったら、そりゃ愛染さんスゲェーと思うんですが、持ち主関係なく崩玉の周囲(半径何メートルかしらないけど)の心を取り込むんだったらあんまり強くないなーと思いました。え、下手したらギャルのパンティーが雨あられのように降ってきちゃうってことですよね? 望めば死人だって生き返るのかなー、それはそれで凄い便利ですよな。なんかもう争う必要ないんじゃないのかな? みんなで自分の幸せなものを心に願って、愛染さんを中心にしてハッピーライフを享受すればいいのに。

 あと一護の父親が来た時もまったく興奮しなかったけど浦原さんが来た時もまったく興奮しなかった。なんでかな。たとえばドラゴンボールフリーザ編でいうと、悟空が宇宙船に乗ってきていることはもうずーっと描かれている訳ですよね。また、本当に強いので来た時に「助かった……!!!!」と読んでいるこっちも思わず胸が熱くなるんですが、BLEACH世界における援軍というのは本当にどこからともなくやってくるのですよな。なんなの貴方達は。しかも着たら着たで、強いのか弱いのかわからないですし。あと愛染さんは首の後ろだけをガードするんじゃなくて後ろ全部ガードした方がいいと思いました。

トリコ

 先週は皿手裏剣で死ぬほど笑った(あんまりにもダサすぎて)のですが、今週は特に何も思いませんでした。というか先週、恐らく皿手裏剣が一時的にトリコ世界において一番強い技だったのじゃないでしょうか。鉄平にもいかんともしがたかった怪物を、一瞬で二匹倒したその最強の技の名前は皿手裏剣……。あまりのダサさに胸が熱くなるな……

 つーか一体何を考えて皿手裏剣を自分の必殺技にしよう! って考えたんですかね? もうちょっとなんか色々あるじゃないですか。ほら、刃がついていればなんだって皿よりマシな気がしますし。もっといえばCDなんかの方がよく斬れそうに見えます。あえて皿にしたのはいったい? 皿マニアだったんですかね? よく一時的にコレクションするのにハマって、いっぱい集めた後にふっと冷めると「おれなにやってんだろ……」という気分になる時がありますけど、たぶんアルファロ様も皿を一心不乱に集めてきて、在る時急に「おれこんなに皿使えねえし……」と絶望したのです。そして試しに、投げてみたら結構いい感じだったので必殺技にしたのでしょう。スゲェぜアルファロ様、零崎双識並にアホだよ!

バクマン

 今週は目的としては「編集の一日を描く」「本人のいないところで本心を吐露して主人公達が燃えあがるありがちなアレ」「次回作への布石」と三つぐらい進行していた感があって、一週でこれだけやってのけてみせるガモウ先生はやっぱりスゲェな、と思うんですがなんかあんまり面白くなかったです。というか人間的に尊敬できないシュージンとサイコーが一々人の事を批評するたびにげっそりしてしまうのです。

スケットダンス

 いくところまでいってしまった感があるな……。な、なんかあまりにも高度すぎてコメントがうかばないぜ……。

べるぜバブ

 自分のことをさしおいて言えば、この漫画本当に絵が下手だなぁ〜としみじみ思ってしまうのですが、今回もなんか変でした。「あっけない勝負だったね」といって、三木が構えをとってから男鹿にパンチを放とうとするのですが、どうみても3mぐらい離れてるんですよね。何なの、きみのパンチはロケットパンチなの。仮に彼のパンチがロケットパンチじゃなかったとしたら、彼はたぶん2メートル50センチぐらいは走ってからパンチするんですよね、なんか凄くダサイ! それは凄くダサイよ!

 あと「本気とか…キャラじゃないんだけど…」と言いながら髪をかきあげている子が一人いるのですが、彼ついさっきまで腕を完全にキメられていたので、今はたまたま相手が気を緩めたから脱出できただけで、単なるラッキーにもかかわらずさも「本気を出せば腕ぐらいキメられてても余裕で脱出できるぜ」というオーラを出すのは非常にかっこわるいとおもいました。あと突然現れた神崎をぶっ飛ばした男鹿がひどいみたいに言われていますが、本当にひどいのは神崎をぶっ飛ばした男鹿ではなく、神崎を徹底的にかませ犬として扱おうとする田村先生だと思いました。

ボクのアイドル

 いちご100%などを描いた河下水希先生の新作読み切り。アイドル好きの生徒会長に、文化祭を盛り上げる為に「アイドルユニットを作って文化祭でライブをやれ」と無茶振りをされる。その時点で狂っているというか、私だったら「さてさて、冗談はそれぐらいにして本題はどうしましょうか」といって何事もなかったかのように進めたいぐらいのハードルの高さですよ。それでも押し切られてやってしまうあたり、河下先生の毎回お馴染みの優柔不断主人公ですね。

 そんなに優柔不断な男の子にもかかわらず、隣に住んでいるヒロインの女の子が風呂に入っている時に、全裸で突撃していくとかいう気が狂ったか何かリモコンで操られているとしか思えない行動をとらせるのが不思議です。何がしたいんだろう。何の抵抗もなく女装して踊る主人公というのも斬新です。女装男子というのは、その恥じらいをもってして初めて完成するものだと私は思っていましたが、こうまで何の抵抗もなく女装して歌われると「あれ、これはひょっとして正しいのではないか……?」と思ってしまいました。不覚です。まあ、なんかこう、色々狂ってるんですが、そういう一つ一つの狂っている点に目をつぶれば普通に面白かったです。でもこの狂っているところもやっぱり演出かなーとも思うんですよね。女装して踊っている男子が突然いい笑顔でかっこいいことを言いだすところとか、なんか「かっこよさとダメさを同時に表現している」とか言うとなんか深い感じになりますしね。

黒子のバスケ

 「憧れてしまえば超えられない」という理屈はわかります。が、だから「憧れるのをやめれば超えられる」になるのはやっぱりよくわかんない。あと黄瀬くんの能力はコピー能力なわけですが、何も同じ高校生の技をコピーしなくても、プロの、それこそマイケルジョーダンとかの技をコピーすればいいんじゃないかな!

めだかボックス

 「行橋は不知火半袖ではないか」という噂が、わりと信憑性を持った理屈で語られていたりしたのですが、今週号を読む限りではやはり違うみたいですね。まあ不知火半袖の謎はわりとめだかボックスの中核をなしている大きなものですので、もし連載を続けるつもりならこんなところでは明かされないと思ったいたので想定の範囲内でした。

◆感覚の共有と西尾維新っぽさ
 感覚まで共有してしまう、というのは、西尾維新がやるにしてはなんともありきたりな……と最初思いました。がしかし、本文のセリフである

「『強い気持ち』とか『裏のない好意』とか『まっすぐな心』とか そういうのが偽物じゃないってわかっちゃうから── もう感動しちゃって戦えなくなっちゃうんだよなあ そう ボクの弱点は 人間のむき出しの心に対する『感動』だ──」

 このポエミーな部分はたしかになぁと思いました。ありきたりなものを、別の解釈で魅せる、それが西尾維新らしさ、と言えるのならば今回は充分に西尾維新らしさが出ていたと言えるでしょう。王土先輩が普通に30分より早く終わらせてくれたのも良かった。うむうむ、王だったら常に限界を超えていくよな、と思いました。かっこいい。

ハンターハンター

 どうやってゴンは戦えるようになるんだろう? に対しての解が強制成長か……。考え付きもしませんでした、それでいて完璧に理屈が通っている。凄い。それにしても……成長したゴン……気持ち悪いですねぇ。何が気持ち悪いって、髪が伸びてるとかいう問題ではなく、『子供用の服を着たまま身体だけでかくなってる』から気持ち悪いんですよね。これこそシリアスな笑いですよ。あとたぶん髪がすっごい長いのは時間の経過を表しているんだと思いますけれども、アレな話をすると下の毛もボウボウでしょうね、もちろん脇も。うう、なんか気持ち悪さが増してきたぞ。

 それにしてもすっかり忘れてしまっていたけれど、ゴンって子供だったんだなぁー。そうだよなー、凄くサイズちっちゃかったもんなぁ……。なんだか普通に周りの人間と戦っているので、もうゴンは普通に修行して成長しなくちゃ強くならないと思い込んでたんですが、そりゃあ身体がでかくなれば強くなりますよね。ピトーの安堵がこれ程よくわかるのも、恐ろしい話です。「天賦の才を持つ者が更に その才を全て投げ出してようやく得られる程の力!! 殺されるのが ボクで良かった…!!」うん、わかる、これはわかっちゃうよ。天賦の才を持つというのは今までの描写でも明らかであるし、これはある意味では「漫画の未来を消費する行為」でもあるはずなんですよね。つまりこれから先ハンターハンターという物語が、ゴンを主軸に据えて末永く平和裏に進行していくという漫画としての未来をも消費しているんじゃないかと。

 蟻篇でハンターハンターが終わるかどうかというのはもちろんわかりません。わかりませんが、冨樫先生のことですから、何かチート的な、たとえば仙豆を食ってはい元通り、ということには当然ならない。条理に反することを行ったのだから条理に反する、もっといえばそれ相応の面倒くさいこと、対価を払わないとこの展開に対する落とし前はつけられないわけであって、それが読んでいる方にもよく理解できるからこそこのピトーの安堵に説得力が生まれるのです。今週のハンターハンターはほんと、よかったなあ。

HUNTER×HUNTER 27 (ジャンプコミックス)

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