基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

読書における「ライブ」は何だろう?

最近の音楽業界というのはどんどん進むデータ化や、違法コピーなどによってタダに近づいているようです。その結果、坂本龍一氏が指摘するように『「音楽が目に見えない、触れられないデータ化されたものになっている今、もう一度音楽のおおもとのかたち − ライブへの欲求が強くなっている」』というように、変化しているのですよね。原点回帰として、生の音への欲求が高まっている。このネット社会において、人とのふれあいを求めているとも言えなくもないかな。それで、僕はこれ音楽だけの傾向にしておくのはもったいないなぁ、読書だって「ライブ」できるのになぁ、と思うのです。しかし読書の「ライブ」って何なのか。

現状を見てみると、「ライブ」というのは著者の方を中心とした「講演会」の形をとってしまうんですよね。今も本を出してもほとんど儲けにならないので、本を一冊出したら後は「本を出した〜〜です!」と宣伝して回って講演の仕事をしたり、セミナーの仕事をとってくるような人たちが増えているようですから。そういう意味じゃ「読書のライブ化」はすでに進行している。……のだけど、それって、面白いのかな? と疑問に思うわけなんです。いや、もちろん面白い、面白いです。当然その場その場で新しい話や、勉強した話、さらにはカスタマイズも加えられて、面白いはず。これも一つの選択肢です。著者は本を無料で出し、講演会に来てもらい利益を回収する、現在音楽業界で行われつつある「フリー」のモデルがここでも適用できます。

でももっと面白いのは、「みんなで本について語り合うこと」なんですよね。講演会を聞いていて、「ちょっとつまんないな」と思う点は気軽に質問したり、話したりできない点なのですよ。もちろん質疑応答のようなコーナーはあるんですが、レスポンスがあまりにも悪い。その点「みんなで本について語り合う」つまり「読書会」は自分の発言に対してすぐに返答が返ってくる、大体音楽のライブだって、観客もただ黙って座って聞いているだけじゃないですからね。立ちあがって周りにいる人たちと同時に手拍子をしたり、または光る棒を振ったり(名前知らない)何かしらのアクションが入って初めて、「現場の一体感」みたいなものを感じ取ることが出来る。講演会に足りないのは、そして講演会が読書の「ライブ」として足りないのはそこだと思います。

今やネットで人が簡単に繋がれるようになりました。しかも最強の人間関係ツールであるTwitterまで現れて、「少数派」が気軽に集合できるようになった。だから、こんな今だからこそ、読書会という読書の「ライブ」がはやっていくのじゃないかなと思うのです。読書における「ライブ」とは、読書会なのです。今ネットでの読書会が、どんどん増えてきている印象があります。みんな段々と、音楽がライブに回帰していくように、読書もライブへと向かっているんじゃなかろうか。そんなことを思う今日この頃。だからみんなもっと読書会を企画したらいいと思うのです(まずお前がやれ)