昨日公開? レイトショーでいったせいかお客さんは20人ぐらい。
あらすじ
弘化元年九月明石藩江戸家老間宮図書が老中土井大炊頭の門前で割腹し果てた。間宮の死は藩主松平左兵衛斉韶の暴君ぶりを訴えていた。斉韶は将軍家慶の弟君、この事件は時の幕閣を動揺させた。これに対し老中土井は、非常手段として御目付役島田新左衛門に斉韶暗殺を命じた。大事決行をひかえ新左衛門は十一人の協力者を集めた。新左衛門の知友倉氷左平太、三橋軍次郎、樋口源内、他十一人の強者達だ。
何の前情報も仕入れずに行ったけれど、なかなか面白かったです。時代劇版少年ジャンプというぐらいの熱さ。でも首が飛びまくるわ血がどばどば出るわ腹はべしゃべしゃ斬るわで大変グロかったです。ぶっちゃけグロくてちょっと帰りたくなりました。
少年ジャンプ的な熱さに加えて、シンプルさ。1.悪い奴がいる。2.仲間を集める。3.成敗する。この三つしかありません。民衆に対して残虐非道な行為をする暴君の稲垣五郎を殺す為に役所広司が十三人の決死の覚悟を持った刺客たちを集めるのですが、この稲垣五郎がほんとに純粋に悪い奴で……。
女がいれば奪ってみたり、人が居れば殺してみたり、民衆を簀巻きにして矢で子どもだって容赦なく射って殺したり、とにかく残虐方面にやりたい放題。どん引きしまくり。個人的に一番どん引きしたのは稲垣五郎のご飯の食べ方で、ご飯を食べるというのは割と性的な象徴というかおかしがたいイメージ? があるのですが、食事をそうやってするのかーというところに稲垣五郎の「異常性」が現れてていいなと思ったりしました。
そんな風に悪い奴は悪い奴でいい奴はいい奴で悪い奴が成敗されるっていうそれだけの話なのでストーリー的には特にいうことが無いのですが、その討伐のシーンがやたらと凄かった。50分間殺陣?をやるっていうのがこの映画のウリらしいと観終わった後知ったのですが、やたらと戦ってました。
まあ、戦いすぎて泥と血まみれになって十三人の刺客がばたばたと倒れて行く時は「これだれ?」状態になってあんまり盛り上がらなかったんですけど……。むしろ一番面白かったのは、本格的な殺陣が始まるその直前で、侍が侍の矜持を賭して名乗り口上を挙げるところとか、その周囲の人のかっこよさ。
理屈・戦術からいえば理にあわないのだけど侍だからしょうがないみたいなそういう「ままならなさ」が、やっぱり侍の面白いところなんだろうなあと観ていて大変強く思いました。