小説をもう働く必要もないぐらいいっぱい売っている森博嗣先生の集英社新書新刊が本屋に並んでいたので思わず買ってしまった。てっきり前回の三部作で終わりだと思っていたのだが、もう一冊出すことにしたようで。いそいそと買って読んだ。題名通りそのまま、自分探しと楽しさについて書いている。
今回は、それ程楽しんで読まなかった。どちらかというとそちらの方が正常だと思う。森博嗣先生の本はほとんど全部読んでいるし、再読もしているし、何度もブログに書いているし、要するにほとんど何を書かれても予測がついてしまう。何が書かれていてもおどろかない。完全なる予定調和なのだ。
今まで面白い面白いと読んでいたことが、今から考えると不思議というか、いったいどれだけ僕は記憶力が無いのだろうと自分で自分に失望するぐらいだ。まあそんなことはどうでもいい。本書はだからつまらないわけでもなく、僕にとっては「そうそう、そうだよね」と確認するだけの一冊だけど、やはりとても良い一冊だと思う。
簡単に本書の内容を僕が一行で表わしているのはこれだな、と思う部分を抜き出すと『本当の「楽しさ」とは、他者から与えられるものではない、ということだ。それは、「自分」の中から創り出されるものである。』という部分だろうか。当然ここだけ抜き出されても意味が分からないだろう。
が、特に説明するつもりもない。それは僕が「自分探し」についての興味がまったくないからだ。自分はここにいるじゃん、と思ってしまう。周りにそんな事を言っている人もいないし「ほんとに「自分探し」している人なんかいるのか?」と疑問に思う。
本書が言っているのはたぶん、「素直に生きよう」ということではないか。いやまあ別に言ってようがいってないがどうでもいいのだけど。僕はそう思った。引用したのもつまりはそこにつながってくる。素直に、自分が何をやりたいのか、あるいは何をやりたくないのかを考える。どうすれば達成できるのかも考える。そして、何よりやってみる。
その活動のプロセスの中にこそ「自分への発見」が生まれるし、「楽しさ」が生まれる。シンプルに言って、そういうことだと思った。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/02/17
- メディア: 新書
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