基本読書

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スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

近々プレゼンをする機会があるので、前から気になっていた本書を買ってきて読んだのですが、ジョブズのスピーチはもう抜群にうまくて、教材を読んでいるだけで、シンプルに読み物として面白いですね。YOUTUBEに動画もあがっていますし、後で見てみよう(実はまだ見ていない)。実は最初は、「いきなりプレゼン界の神を参考にしても……」というような気持ちがあったのですが、これを読んでいたら考えが変わりました。結構、それもすぐに役に立つ。それもこれも、才能で行われているのではなく、入念な考えの上で行われている証拠でしょう。

内容は18シーンにわかれていて、それぞれポイントになるようなことが書かれています。「構想はアナログでまとめる」とかね。まっ、そういう細かいところはいいでしょう。個人的に重要だ、覚えておこうと思った処を書いて適当に終わります(こういうのはプレゼン的に最悪)。そう、今思いついたけど、文章にも応用可能なのですよね、プレゼンって。基本的に僕が書いている、今のこれも、プレゼンのようなものですし。

最初に重要なのは、「売りこむ物のどこが優れているのかを説明するのではなく、売り込む物を手に入れることによって、その人にどんな素晴らしいことが起こるのかを語る」こと。ひと言で言えば、「ストーリーを作る」ということになります。

プレゼンを聞く方は、その製品がどんなに優れているのかなんて聞きたくはないんですよね。全くその通りです。スペックがどれだけ優れていて、画期的なことをやっていようが、それが自分にどんな影響を与えるのかがわからなかったら欲しいなんて思わない。まず「なぜ気にかける必要があるのか」という聞き手の欲求にこたえるのだ。

次に重要だと思ったのが、ロードマップを最初に示すこと。これは「今日は三つのことについて話したいと思います」のような出だしのことだ。たとえば有名なスタンフォード大学で行われたジョブズのスピーチはこう始まる。

ありがとう。今日は世界で最も優秀と言われる大学の卒業式に同席できて光栄です。実は私は大学を出ていないので、これが私にとって最も大学の卒業に近い経験になります。今日は私の人生から3つのストーリーを紹介します。それだけです。大したことありません。たった3つです。 ──スティーブ・ジョブズの感動スピーチ(翻訳)字幕動画より

大したことありません。たった3つです。そしてこのポイントポイントにごくごく短いキャッチコピーのようなものを作る。それは最初に書いたように、シンプルで相手にとって何が良いことなのか一瞬でわかるようなものでなくてはならない。たとえばiPodの説明はこんな感じ。「iPodには画期的なポイントが3つある」「第1にめちゃくちゃポータブルなこと」「第2にファイアワイアが使えること」「第3にバッテリーがとてもよくもつんだ」

あとはもう練習だ。本書では練習方法も5ステップに分けて説明してくれている。第一に、パワーポイントにしゃべる内容を短く文章に書く。第二に、第一で書いた台本のキーワードを目立つようにしプレゼンの練習をする。第三に、キーワードだけを残して台本を削除する。第四に、スライドごとにひとつのキーアイデアを頭にたたき込む。「このスライドで聴衆にしってほしいことをひとつだけ挙げたらどれか」と自問自答する。あとはもう練習だ。

ちなみにジョブズはスライドにはほとんど写真を使い、文字はキーワードをひとつだけぽんっと出すことが多い。ま、文字だらけのパワーポイントほどぐったりさせられるものはないからね。ほかにも重要なキーワードは繰り返す、敵役、正義のヒーローを演出、などいろいろありますが、気になるならば詳しいところは読んどいてください。