基本読書

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上を向いて歩こうはなぜスキヤキになったか

坂本九の名曲「上を向いて歩こう」がなぜかアメリカでは「スキヤキ」というタイトルで発売された。これは、謎である。普通スキヤキにはならないだろう。だが、昨日『村上ラヂオ』を読んでいて、ついに「なぜ上を向いて歩こうがスキヤキに変更されたのか」に対する答えを得た。その答えをご紹介しよう。

ケニー・ボール楽団というイギリスのディキシーランド・ジャズのバンドが、この曲を最初に録音したとき"uewomuite-arukoh”という題がみんなどうしても覚えられなくて、スタジオで誰かが「面倒だから『スキヤキ』って呼ぼうや」と言い出して、それがそのままレコードのタイトルになってしまったのだ。

たしかに外国の人に上を向いて歩こうはとても覚えにくいタイトルだと思う。単語ならば向こうの人でも覚えやすいだろうが、何しろ文章だと単語の意味がわからない為に長い単語を覚えさせられているみたいな感覚になってしまうのではないか。日本語って単語ごとの区切りがよくわからないし。

それにしてもかなり適当なバンドだったんだろうなあ。だって、読みにくいからタイトルを変えようっていうところまでは思考がトレースできても、それがスキヤキになっちゃうっていうのはどう考えてもわけわからんしなあ。なんで? なんでスキヤキ? 

酔っぱらって決めたのか、それともみんな本当にどうしようもない気分だったんだろう。スキヤキだろうがスシだろうがなんだって良かったんじゃないか。しかしこれが仮に「スシ」とかになっていたら、果たして外国でここまでヒットしただろうか?(発売された当時、ヒットチャートを独占し世界中にスキヤキ・ソングとして広まった)

僕の考えではきっとスシではヒットしなかっただろう。なぜなら、上を向いて歩こうが大ヒットしたことによって、向こうの人は「そうか、読みにくい日本の歌を全部適当な日本語単語に変えてやれ」といって「スシ」とか「サケ」とかつけてばんばん出したに違いないのだ。しかしそれらはどれも残っていない。

まあ、もちろん歌が良いというのはあるだろうけど。それにしても、スキヤキと名付けた人はその後、後悔したりしなかったのだろうか。こんなに売れるとわかっていたらもっとちゃんと名前つけたよ! って。しかし結局上を向いて歩こうはスキヤキと名付けられ世界に広まった。世の中何がおこるのかわからない。