森博嗣先生の新刊。15年のキャリアを経てこの作品を出せるのは、たいへん素晴らしいと思いました。楽しくて、あっという間に読み終えてしまった。小説なのか、もしくはエッセイなのか読み始める前はよくわかりませんでしたが、読み終えた後もよくわかりませんでした。小説現代で10回にわたって(たぶん)連載されたものの書籍化。
章が10個に分かれていますが、その中でダジャレで落ちる一行や三行で終わるショートショート、バカバカしくて誰もやらないような小説手法で崩しきったショートショートがいくつもいくつも入るかとおもいきや、急に真面目な文体に切り替わり森博嗣先生の今の生活をそのまま描写を始めたりします。
不定形。もちろんショートショートや森博嗣先生の私生活(のような描写)だけではなく、他にもごちゃごちゃ、ごった煮状態です。でもそのようなあっちへふらふら、こっちへふらふらしながら、それでいてバランスを取っている危うい飛行機のような話で、とても素敵。
あと『実験的経験』っていうタイトルはとても素晴らしいですね。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/05/24
- メディア: 単行本
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