基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

オブリビオン


いやーたいへん楽しみました。トム・クルーズ主演によるばりばりのSF映画で、タイトルがオブリビオン! 時は2077年であり地球は敵性エイリアンの攻撃を受け全壊状態。そこら中廃墟の有様でとても人がすめるようなところではない。そんな中トム・クルーズは地球にある高度1000メートルぐらいの超高い謎建築物に美女と二人で、空中を未来的パトロール機械でパトロールし、よくわからんオートパイロット敵発見次第即殺しマシーンの整備士として暮らしている。

敵性エイリアンはスカブと呼ばれており、そのスカブによって60年前に人類は月を破壊されちまったわけですが、その壊れた月が画面の背景にうつりこんでいる映像がまず圧巻。すべてが木っ端微塵になったわけではなく、半壊といったかんじでぼろぼろになった月が宇宙に浮いたままたぶん廻り続けているんでしょうね。ここで「おい、バランスが崩れて周回軌道から外れてくんじゃないか」などと野暮なことを突っ込んでいるとおもしろくなくなるんです。

実際問題この作品、レビューを読んでも評判がよかったり悪かったりで、まああまりよくないわけです。そしてその理由もよくわかる。設定は今時古臭いし脚本はなんだかよくわからないしだらけてるようにも思えるし。でも女優がメイン2人なんですが、これがどちらも最高に素晴らしいし、モーガン・フリーマンが初登場するシーンなんかもう悲鳴をあげそうなぐらいかっこいいしトム・クルーズは何していてもかっこいい!

そして荒廃した地球の風景、壊れた月が回っている世界、なんかやたらにかっこいい俳優共に素晴らしい演技をみせてくれる女優! 実にこんだけ揃っていて他に何を求めるんだ? そして脚本も僕が粗だな〜と感じたようなところって本筋に関連しているところというよりかは、なんかどうでもいい枝葉の部分なんですよね。そしてその枝葉の部分ってのは、結局のところかっこいい場面につながっていて僕は好きなのです。

うん……しかし女優はすごかったな。後に出てくるのと最初からいるのがいるんですけど(ひでえ紹介だな)、個人的には、特に最初からいるほうがすごかった。彼と彼女はあと2週間ほどすると地球での任務が終わり、タイタンに移民している人たちの方へ合流できるという設定になっていて、彼女の方はもうそれが楽しみで仕方がない。そしてその為に規律には従うべきであり自分の中に絶対の規範を持っている。

日本で言う委員長タイプとはまた違う、生真面目というよりかは「地球任務を解かれる」ことを至上目的としてその為に邁進する人として描かれているんですけど、ようは物事をまっすぐにしかみれないわりと頭の固めな人なんですよね。ヤンデレタイプというか。で、普段はそんなことないのに、一瞬の表情の変化で「うわあああああヤンデレだああああ」ってキャラクター性が完全に顔が出てくる場面があって、そこが最高によかった。

アクション映画として期待してみにいくとわりとがっかり(未来武器はなんの想像力をかきたてられるものでもないし。ただし戦闘ドローンの描写はかなり好き。)ですし、SFファンならネタは途中で割れたり「ははん」と馬鹿にしたくなるかもしれませんが描かれている終末論的世界とやたらとかっこよく演出される俳優たちは一見の価値ありだと思います。