試写会で一足お先にみてきました。原題はEdge of tommorowなのに日本だとオール・ユー・ニード・イズ・キルなのは、日本の原作がこのタイトル(All you need is kill)だから。いやーしかしすごいですね〜、日本の小説がハリウッドで、しかもトム・クルーズ主演で映画化とは。観終わっても至極ちゃんとしたハリウッド映画っぽいハリウッド映画で、それなりに新しくて、エッジがきいていて面白い、こりゃ奇跡かなんかだろうか。観終わったいまもどうにも信じられない。
原作と設定は大きく違うが、原作そのまんまでやられたらスケールが小さくなってしまってむしろつまらなくなってしまう。ドドンと世界規模の物語に仕立てあげられて、マブラブオルタネイティブ化していた。そうこなくっちゃ!! もちろん原作の肝であるループ構造と、ループすることによって兵士が自身のスキルをあげていき周囲の人間が驚くほどの強キャラへ変貌を遂げいくゲーム的な部分はしっかりと残っているのは予告編で明らかなとおり。
原作のエッセンスはしっかりと汲み上げられているので原作ファンも満足して受け入れられるんじゃなかろうか。まあファンにもいろいろいるのでさっぱりわからんが、少なくとも僕は大満足ですね。本当にあのAll you need is killがハリウッドでじゃぶじゃぶお金を注ぎ込んで映画化されている! ときゃっきゃできましたよ。
明確にゲーム的なループなのでいろいろと面白い結果につながっていた。たとえばハリウッド映画でヒーローは大抵の場合ピンチでもギリギリで生き延びるのが当たり前だが、トム・クルーズはそういう場面でたいてい一度は死んでくれるので「あー死ぬよねーやっぱー」と英雄の解体につながるところとか。死がとても軽く扱われているため小さめの会場での試写会だったからだと思うが、死ぬ場面では何度も笑い声があがっていた。まあそれぐらい清々しく、ポンポンとテンポよく、死んで生き返ってくれる。
主役級の人間がさまざまな死に様、死にシチュエーションをみせてくれるのも面白く死に方コレクター的にもいい。骨折しただけで治している暇がないからといってトム・クルーズを殺しにかかるエミリー・ブラントの冷たい目もサイコウだ。
ギタイ(敵エイリアン)のデザインは原作で想定されていたものとはだいぶズレてはいるのだが、何より強そうなのがよかった。形状的にどうかというよりも、とにかく映像的に素早く気色悪い巨体が動くので異常に強そうだ。そら人類もやられるわ、という説得力みたいなものは充分出ていた。漫画版の小畑デザイン(たぶん)はギタイに関わらず随分とがっかりさせられるものだったからこっちは満足だ。
スーツは一見して微妙なような気がしたが(ゴツすぎてがに股あるきになってかっこわるいし装備もかっこわるい……)イマこうして思い返してみるとむしろこれぐらいゴツくて不自由な感じの方がパワードスーツっぽくはあるなあと思うようになった。逆にめちゃくちゃスリムで高速機動ができそうなかっこういいスーツでも困るわけで、難しいところか。原作で「強くなった」と思わせる肝の部分が使われなかったのは多少残念ではある。
なんだかとりとめのない感想になってしまったがみていて「あ〜よい映画だな〜〜凄いな〜〜日本の原作だぜーー」と思っているうちに終わってしまったのでこんなもんです。公開されたら観に行くといいよ! 原作は小説、今だと小畑健漫画版もある(ほとんどは原作通り)。2冊で完結しているので、まあ今からお話を抑えておきたいというのだったら漫画版がオススメか。
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