黄金時代 by ミハルアイヴァス

これはまたえらいことをやってのけた小説だなあというのが一読しての第一印象。不定形で流れ続ける事象、その運動それ自体を書き留めたかのような話で──といきなり話をはじめても意味がわからないだろうから、多少の前提情報を共有しておこう。本書『黄金時代』はある語り手が旅のあいだに三年ほど滞在した大西洋の不可思…