狂人たちの世界一周作者:ピーター・ニコルス国書刊行会Amazon先日テレビをみていたらヨットでの単独無寄港無補給で世界一周を行う「ヴァンデ・グローブ」(今年は11月10日からスタートする)の解説を行っていた。現代ではテクノロジーが進歩しているの30日ぐら…
幻覚剤と精神医学の最前線作者:デヴィッド・ナット草思社Amazon近年、LSDをはじめとした幻覚剤の有用な側面を捉え直す研究が活発だが、本作もそうした流れに連なる一冊である。著者は精神科医・神経精神薬理学の教授で、幻覚剤を使用した際の脳内の影響につ…
毎年秋頃に恒例となっている早川書房の電子書籍最大50%割引のセールがきているので、今回も「前回から今回にかけて、新しくセール対象になった作品」を中心に紹介していこうかと。期間的には、だいたい2023年12月頃〜2024年4月頃の作品までが新しくセール対…
無限病院 医院作者:韓 松早川書房Amazonこの『無限病院』は、中国SF四天王の一角にして『三体』の劉慈欣と並び称される韓松による〈医院〉三部作の開幕篇だ。帯の惹句には劉慈欣が『中国のSFをピラミッドとするならば、私が書くような二次元のSFはその土台、…
エリート過剰生産が国家を滅ぼす作者:ピーター ターチン早川書房Amazonこの『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』は、もともとカブトムシやチョウといった生き物の個体群動態について研究して生計を立ててきた研究者が、複雑系科学のアプローチを人間社会の研…
FBI爆発物科学捜査班:テロリストとの30年戦争作者:カーク・イェーガー,セリーン・イェーガー原書房Amazonこの『FBI爆発物科学捜査班』は、FBIで爆発科学捜査班として数々のアメリカの爆破事件のみならず世界中の爆破事件の調査に関わってきた人物による、爆…
マン・カインド作者:藤井 太洋早川書房Amazonこの『マン・カインド』は、至近未来ー近未来を主な舞台に選び、現実の社会情勢や技術の延長線上で様々な短篇・長篇を発表してきた作家、藤井太洋の最新長篇だ。最新とはいっても本作はSFマガジンで2017年〜21年…
フォース・ウィング-第四騎竜団の戦姫- 上作者:レベッカ ヤロス早川書房Amazonこの『フォース・ウィング』は現代を舞台にしたロマンス物の著作が多数あるレベッカ・ヤロスの初のファンタジイにして、全米で400万以上を売り上げ超大ヒット作となった(すぐ…
文化はいかに情動をつくるのか――人と人のあいだの心理学作者:バチャ・メスキータ,唐澤真弓紀伊國屋書店Amazon複数の集団の文化的データを分析すると、西洋人のサンプルが必ず分布の最端部に位置する──つまり、西洋人を対象とした研究は、地球人類・文化とい…
土と脂: 微生物が回すフードシステム作者:デイビッド・モントゴメリー,アン・ビクレー築地書館Amazonこの『土と脂』はこれまで『土と内臓』、『土・牛・微生物』など土と人間の関係を様々な観点から解き明かしてきたデイビッド・モントゴメリーにとっての四…
肥満の科学 ヒトはなぜ太るのか作者:リチャード・J・ジョンソンNHK出版Amazonとにかく現代は太りやすい時代である。食べ物は安くてカロリーの高いものがいくらでもあり、そのうえおいしいので、ブレーキがないといくらでも食べてしまう。ラーメン、焼き肉、…
一億年のテレスコープ作者:春暮 康一早川書房Amazonこの『一億年のテレスコープ』は、早川のSFコンテスト(第七回)で優秀賞を受賞、受賞後に刊行されたSF中篇集『法治の獣』は年間ガイドの『SFが読みたい!』で国内篇の一位を獲得と、順調にその実力を証明し…