基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

役に立たないとは言うものの、これほど役に立つ本はない──『ハウ・トゥー:バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』

ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学作者:ランドール マンロー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2020/01/23メディア: Kindle版この『ハウ・トゥー』は、「太陽の光が突然消えたら、地球はどうなる?」「アメリカを完全な廃墟にするには何…

崩壊しかかっている作品をメタ的な観点から強引にまとめあげる、パワーワード連発のSF問題作──『大絶滅恐竜タイムウォーズ』

SF

大絶滅恐竜タイムウォーズ (ハヤカワ文庫JA)作者:草野 原々出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/19メディア: 文庫『最後にして最初のアイドル』の草野原々による………なんだ? なんだかよくわからないが、とにかく進化と宇宙と時空がめちゃくちゃになっ…

存在しない書物についての書評集にして、レムの代表作の一つ──『完全な真空』

SF

完全な真空 (河出文庫)作者:スタニスワフ・レム出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2020/01/07メディア: 文庫この『完全な真空』は『ソラリス』のスタニスワフ・レムの代表作のひとつにして、存在しない書物についての書評集である。もともと単行本として…

『暴力の人類史』のピンカーが語る、理性と共感によって未来がより豊かになっていく根拠──『21世紀の啓蒙:理性、科学、ヒューマニズム、進歩』

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩作者:スティーブン ピンカー出版社/メーカー: 草思社発売日: 2019/12/18メディア: 単行本この『21世紀の啓蒙』は、『暴力の人類史』で一躍その名を轟かせたスティーヴン・ピンカーによる啓蒙の啓蒙の書で…

魔法が混ぜ合わされた難民・移動文学──『西への出口』

西への出口 (新潮クレスト・ブックス)作者:モーシン ハミッド出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/12/24メディア: 単行本この『西への出口』は、パキスタンに生まれた後、アメリカにわたり英語で作品を発表し続けている(今はパキスタン、ロンドン、ニュー…

なぜ人類は国家を作り、発展させられたのか?──『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー作者:ジェームズ・C・スコット出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/12/21メディア: 単行本我々人類の大半は今は家畜を飼い、農耕を行い、足りない分を輸入することで定住生活を営んでいる。一般的に、そう…

銀河サイズの超知能AIはどのように思考するか? などはるか未来の知能の在り方が模索される──『LIFE3.0――人工知能時代に人間であるということ』

LIFE3.0──人工知能時代に人間であるということ作者:マックス・テグマーク出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/12/27メディア: 単行本この『LIFE3.0』は人間の知能を遥かに超えた超知能AIが出現したら何が起こり得るのかを、AIの安全性研究や有識…

《天冥の標》から『息吹』まで、多数の傑作SFが刊行された2019年を振り返る

息吹作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行本 傑作揃いの短篇集 今年のSFでまず中心的に語っておきたいのは*1、素晴らしい短篇集が多数出たことだ。たとえばテッド・チャン『息吹』は著者一七年ぶりのSF短篇集で…

物理学と進化生物学のあいだに存在するつながりを解明する──『生命進化の物理法則』

生命進化の物理法則作者:チャールズ・コケル出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/12/13メディア: 単行本二〇一九年は、地球に存在する生物の動きと形は、この宇宙に普遍的に存在する物理法則から必然的に収斂するものであることを科学的に紹介するマ…

『サピエンス全史』のハラリがはじめて現代の諸問題を真正面から取り扱った最新刊──『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考作者:ユヴァル・ノア・ハラリ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/11/19メディア: 単行本『サピエンス全史──文明の構造と人類の幸福』で、「虚構を操る力こそが人類を生き残らせた」という観点から過去を。…

全長一マイルにも及ぶ巨大な竜がかつて支配した町を描き出す、至高のドラゴン・ファンタジィ──『タボリンの鱗』

タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集 (竹書房文庫)作者:ルーシャス・シェパード出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2019/12/26メディア: Kindle版この『タボリンの鱗』は全長1.6kmにも及ぶ巨大な竜をめぐるファンタジィ奇譚が集まった中短篇集『竜のグリ…

複雑な人間関係・時代関係がカタルシスへと直結していく、尖りすぎた近年最高峰のSFアドベンチャーゲーム!!──『十三機兵防衛圏』

十三機兵防衛圏 - PS4作者:出版社/メーカー: アトラス発売日: 2019/11/28メディア: Video Gameいやはやこれは本当におもしろい、今年最高のゲームだった。『オーディンスフィア』などで知られるヴァニラウェア✗アトラスの新作だが、タイトルからもわかるよう…