基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

サイバー戦争の実態を解き明かす、セキュリティ専門家による終末のシナリオ──『サイバー戦争』

サイバー戦争 終末のシナリオ 上作者:ニコール パーロース早川書房Amazonこの『サイバー戦争 終末のシナリオ』は、サイバーセキュリティを専門とし、《ニューヨーク・タイムズ》紙記者である著者が7年以上の月日をかけてセキュリティ関係者に取材を重ねて「…

ジョン・ル・カレ×クリストファー・プリーストと評された、EUが崩壊したヨーロッパを舞台とするSFスパイスリラー──『ヨーロッパ・イン・オータム』

ヨーロッパ・イン・オータム (竹書房文庫)作者:デイヴ・ハッチンソン竹書房Amazonこの『ヨーロッパ・イン・オータム』は本邦初紹介のイギリス作家デイヴ・ハッチンソンによるSFスパイ長篇となる。本作は西安風邪の蔓延によってEUが崩壊し、みながみな好き勝…

億万長者は金とその影響力によって政治を好き勝手操作する──『ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち』

ダボスマン 世界経済をぶち壊した億万長者たち作者:ピーター・S グッドマンハーパーコリンズ・ジャパンAmazon「ダボスマン」とは、スイスのダボスで行われる世界経済フォーラム総会(ダボス会議)に参加する億万長者たちの呼称である。大勢いるが、有名所では…

『三体』三部作の裏側で起こってきたことに光を当てる、まさにこれが読みたかった! と思える公式スピンオフ──『三体X 観想之宙』

三体X 観想之宙作者:宝樹早川書房Amazonこの『三体X』は、劉慈欣による中国SF最大の話題作である《三体》三部作の、宝樹による公式外伝(スピンオフ)である。公式外伝といっても種類はたくさんあるが、本作が描き出すのは基本的には『三体』の第三部で起こっ…

新型コロナを人類最後のパンデミックにするためには、何をすればよいのか?──『パンデミックなき未来へ 僕たちにできること』

パンデミックなき未来へ 僕たちにできること作者:ビル ゲイツ早川書房Amazonこの『パンデミックなき未来へ』は、ビル・ゲイツによる、気候変動をテーマに地球人類全体が何をして、どこに予算を集中させなければいけないのかを書いた『地球の未来のため僕が決…

想像以上に広くて複雑な深海という世界──『深海学―深海底希少金属と死んだクジラの教え』

深海学―深海底希少金属と死んだクジラの教え作者:ヘレン・スケールズ築地書館Amazon深海は調査が進んでおらず、海底よりも月の表面の方がわかっていることの方が多いとさえ言われる世界だ。だが、近年深海用の潜水艇などの高性能機材が開発され、深海が想像…

今年も早川書房1500作品が50%割引の超大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する

早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にセールをやるが、1500点級のセールを前回やったのは去年の6月頭なので、年に一回のセールとなる。これ以上安くなる…

宇宙ものから超能力もの、ポリティカルな作品まで幅広い作品が堪能できる、韓国の人気作家による極上のSF短篇集──『極めて私的な超能力』

極めて私的な超能力 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:チャン ガンミョン早川書房Amazonこの『極めて私的な超能力』はSFだけでなくノンフィクションや労働小説など幅広いジャンルの作品を手掛ける韓国の人気作家チャン・ガンミョンによるSF短篇集だ。この…

科学とSFの永続的な相互作用について──『こうして絶滅種復活は現実になる:古代DNA研究とジュラシック・パーク効果』

こうして絶滅種復活は現実になる:古代DNA研究とジェラシック・パーク効果作者:エリザベス・D・ジョーンズ原書房Amazonマイケル・クライトンによるSF小説『ジュラシック・パーク』が刊行されたのは1990年のこと。小説の時点で世界的なベストセラーになってい…

コロナ禍になってからたくさんのパンデミックSFが刊行されたので一気に紹介する

SF

19年末からコロナ禍に入り、3年近い月日が流れている。数多くの変化がそれに伴って起こったが、そのうちのひとつは「パンデミックSF」の刊行が増えたことだ。パンデミックSFとは、感染症が広まっていく状況を描き出すSF作品のことだが、コロナ以後に企画・執…

友好的なヒトが自然淘汰で残ったからこそ、いまのヒトが存在する──『ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』

ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか作者:ブライアン・ヘア,ヴァネッサ・ウッズ白揚社Amazon近年、人類史を通して、年々暴力が少なくなっていることを示したピンカーの『暴力の人類史』や、人間の本質は利他的であると…

人間の脳が片方失われてもほぼ正常に機能するのはなぜなのか──『脳の地図を書き換える 神経科学の冒険』

脳の地図を書き換える: 神経科学の冒険作者:デイヴィッド・イーグルマン,David Eagleman早川書房Amazonこの『脳の地図を書き換える』は、『あなたの知らない脳――意識は傍観者である』など一般向けの脳神経科学本の著者として知られるデイヴィッド・イーグル…