アデスタを吹く冷たい風 by トマス・フラナガン

不思議な読み味を残す短篇集。ざらざらとしてはいるものの心地よい味が長く残る感じ。冬が終わりかけのロシアのような。解説によれば本書は1998年及び2993年のハヤカワ・ミステリの復刊希望アンケートで二度にわたって票をいちばん集めたらしい。それほどまでに票を集めたにも関わらず復刊されないもんなんだなあ……(復刊…