基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

幻想と現実を解きほぐす奇想ミステリ──『ラスト・ウェイ・アウト』

ラスト・ウェイ・アウト (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: フェデリコ・アシャット,村岡直子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見るハヤカワ・ミステリ文庫からの刊行だが、南米発の"奇書"という謳い文句通りに…

死刑にかわる新たな刑罰──『刑罰0号』

SF

刑罰0号 (文芸書)作者: 西條奈加出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2016/08/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る著者の西條奈加さんは日本ファンタジーノベル大賞でデビューし、その後は主に時代小説で活躍されてきた方である。そちらの作…

サヴァンの能力を結集し究極の英知を創り上げる──『叫びの館(上・下)』

叫びの館〈上〉 (創元推理文庫)作者: ジェイムズ・F・デイヴィッド,公手成幸出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/08/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る『叫びの館』という書名と、表紙のイメージからして「純ホラー作品なのかなあ」と…

見せかけの繁栄に潜む空前絶後の社会矛盾──『「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄』

「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書)作者: 顔伯鈞,安田峰俊出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は著者である顔伯鈞さんの当局から逃げ続ける逃亡記を元に、編訳者で…

アメリカSF界におけるレジェンド作家の饒舌な短篇集──『死の鳥』

SF

死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハーラン・エリスン,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るなんとも饒舌な短篇集である。著者のハーラン・エリスンについては帯にでっかく「華麗なるSF界のレ…

歴史が失われた国で立ち上がる新たな神話──『イエスの幼子時代』

SF

イエスの幼子時代作者: J・M・クッツェー,鴻巣友季子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/06/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る意外なことに本書が一種の近未来ディストピア小説であるという評を目にして読んでみたが、これはなかなか…

虫だらけの惑星──『昆虫は最強の生物である: 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略』

昆虫は最強の生物である: 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略作者: スコット・リチャードショー,Scott Richard Shaw,藤原多伽夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/07/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る昆虫は最強の生物である──と…

科学と科学者との地位に関する一つの個人的な哲学──『若き科学者へ』

若き科学者へ【新版】作者: ピーター・B・メダワー,結城浩(解説),鎮目恭夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/07/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は1960年にノーベル生理学・医学賞を受賞したメダワーが書いた「科学者の心得…

すべては変わりゆく──『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則』

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則作者: ケヴィン・ケリー,服部桂出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2016/07/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る1989年生まれの僕が小学生だった頃、パソコンは家になく、インターネッ…

科学が産んだ脅威の動物たち──『サイボーグ化する動物たち-ペットのクローンから昆虫のドローンまで』

サイボーグ化する動物たち-ペットのクローンから昆虫のドローンまで作者: エミリー・アンテス,西田美緒子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2016/08/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「サイボーグ化する動物たち」と言われると、ブースターが付い…

行動経済学一代記──『行動経済学の逆襲』

行動経済学の逆襲 (ハヤカワ・ノンフィクション)作者: リチャード・セイラー,遠藤真美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/07/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『行動経済学の逆襲』という書名から「いつのまにか行動経済学は逆襲が必要なほ…

Kindle Unlimited:読み放題でめぼしい物をざっとみる

Kindleの読み放題サービス、はじまってました。 www.wildhawkfield.com とりあえず雑誌をみるかということでdマガジンとの比較などは上記記事で(ありがたい)ふむふむと見て回っていたけれども、思いがけずいろいろあったのでこれなら登録してもいいかなあと…